笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

ワルシャワでリシャール=アムランを聴く。

 スイスから帰って3日間焦ってピアノを弾いて秋にはやっぱりメンデルスゾーンではなくレーガーを弾くことにして(レーガービールの御利益を信じよう)8月23日超早起きをしてベルリン経由でワルシャワへ。時間にも余裕を持ったが今日はドイツ鉄道も遅れずあっさりと乗り換え。しっしかしポーランド鉄道も謎の遅延(謎なのは車内放送がポーランド語で分からないから)で印象を悪くする。こんな事も有ろうかと早い電車に乗って良かったッ!
 早く着いたし演奏会前に優雅に散歩など…と思っていたら帰りの切符を買うのに苦労して晩メシも泉寿司でお持ち帰りにした…ホルンの泉君に報告せねば。
 今日の演奏会では1晩に3曲のピアノ協奏曲が演奏される。先ずアメリカの若いエリック・ルーがモーツァルトの第20番。指揮者のハワード・シェリーがフンメルを弾き振り。そしてシャルル・リシャール=アムランがショパンの第1番。3月のクラクフでの演奏会の後にリシャール=アムラン本人に教えてもらった演奏会。3度目のフィルハーモニーホールで初めてオーケストラを聴く。
 4年前のショパン・コンクールで第4位入賞のルーを生で聴くのは初めて。コンクールの時は正しく美しいという印象を持ったが今回も美しかった。様式美・理性が感じられ柔らかく伸びやかな強音も気に入った。アンコールの雨だれの前奏曲の強音が少し色彩感に欠けた気もするが今後期待出来そう。
 シェリーの演奏も作品の様々な側面を見せる豊かなものだった。初めて聴いたフンメルだがとても楽しかった。
 リシャール=アムランは以前ショパンの第1番の協奏曲の第1楽章の強い意志が好きだと言っていたがその通りの演奏だった。強音の深さが以前よりも更に増した気がした。第2楽章の独奏部分では音が中空に昇って行って戯れるようだった。第3楽章では伴奏部分で脇役に徹し、もう少し出しゃばっても良いのでは?とも思ったがそれら全ての音が恐ろしくキレイなのでやはり納得です。アンコールは同じくショパンの遺作の夜想曲。何度聴いてもい〜な〜…。
 一応今日もビールは用意していたがホール大きいしお客さん多いし他のソリストもいるし会わずにホテルに戻ってバーでポーランドビールを飲みながら、「素晴らしかったッ!」とメッセージを送ったら1時間もしないうちに返事をくれた。

 フルートの仏様(ロシア)講習会の為翌日直接ロストックへ。ベルリン行きの電車はまたも謎の遅延(食堂車で昨日諦めたポーランド料理を意地で頂く)。今回は凡そ1週間の会期で毎日一緒に飲み食いしたが仏様の日本語は既に私の英語より上手なのでは?と思うほど。レッスンも勿論だがレッスン後も楽しかったッ!日本語での下ネタにも磨きがかかっています。

ヴェンゲンでリシャール=アムランを聴く。

 カナダのイチオシピアニスト、シャルル・リシャール=アムランが欧州で演奏する時にはソレッとばかりに聴きに行く。演奏曲目が違えばなるべくぜ〜んぶ聴きたいし同じなら開催地で選ぶ(笑)。
 8月18日のリサイタルはスイスのヴェンゲンで。途中プリケツM(声楽・ドイツ)の住むカールスルーエに予定より6週間早く生まれた双子を初鑑賞に寄り道。奥さんも元気だったし2人共メチャクチャかわいー(涙)。ずっとずーっと見つめていたらあっと言う間に真夜中になってしまいました。
 ヴェンゲンってどこー?と何も知らずに電車に乗ったら首都ベルンの美しい街並みを通過し、嘗てブラームスが幾度か夏を過ごしたトゥーン湖のほとりを周ってアルプス登山鉄道に乗り換えて山間の滝や岩肌を右に左に忙しく眺めながらユングフラウが眺望出来るヴェンゲンに到着しました(感動)。スイスを鉄道で旅するってこういう事だったのか…と初めて知りました。またぜッッッたい来ます〜(涙)。

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ホテルのバルコニーからの眺め。


 ヴェンゲンの街は小さいながら多くの観光客で賑わっていて、特に中国やスペインの人が多く日本人にも人気があるようです。

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 それなりの険しさの山の中腹にメンデルスゾーンがこの街を訪れた記念碑が建っていました。この夏はよくよく旅先で坂道を歩くな…。

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 秋の演奏会でレーガーが間に合わなかったらメンデルスゾーンにしようかな(単純)…。今日の演奏会もメンデルスゾーン音楽祭の一環で、リシャール=アムランも彼の曲を1曲弾きます。


 曲目が少し変更になっていて、エネスコの組曲第1番が無くなっていた。とすると行くかどうか迷っているルーマニアでの演奏会ではドビュッシー以外は今日と違う曲ばかりになる(ルーマニアの演奏会はエネスコ音楽祭の一環なので彼の曲は間違いなく演奏されるだろう)。聴きたい…どうしよう…。
 それとショパンはバラード全4曲の予定だったがバラード第1番→夜想曲遺作→即興曲第3番→バラード第4番→アンダンテ・スピアナードと華麗なる大ポロネーズに変わっていた。バラード全曲は去年オーストリアで聴けたし最後のポロネーズは未だ聴いたことないし個人的にはラッキー!まぁ特に好きな曲って訳ではないけれど…。
 私の席は2列目の右端。舞台と客席がすごく近くて彼も演奏中もしかすると日本人ビアニスト(ピアニストではない)が来ていることに気付いたかも知れない。或いは今日もビールくれるのかなとか思ったかも(笑)。
 ショパン以外の曲目は超渋く先ずはドビュッシーの忘れられた映像。第2楽章のサラバンドが良かったッ!緊張感の中の静かな流れ。終楽章の「『嫌な天気だからもう森へは行かない』による諸相」ではわがまま娘が家のテーブルの前で悪態をついているようで可愛かった。
 続いてメンデルスゾーンスコットランド幻想曲。恐らくこの演奏会の為に用意したものだろう。こうして聴くとやっぱり良い曲!でも終楽章は集中力が必要だし私には無理だ(根性ナシ)…もし秋にメンデルスゾーンを弾くなら前奏曲とフーガか変奏曲だな…
 休憩中にヴェンゲン在住のピアニストと知り合った。ハノーファーで勉強された方で今は亡き名師ライグラフのお話を興味深く聞いた。

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 第2部開始。もう演奏者が入場しているのに前列のお客さん達が通路を塞ぎリシャール=アムラン氏はその後ろで立ち止まる羽目に。苦笑いをしながらこちらを向いたのは気のせいか。
 隅々まで仄暗い輝きを放つ夜想曲もしなやかに感情が伸縮するバラードも素晴らしかった。特にバラード第4番では結尾部までは感情を露わにしなかったがそれがより悲劇的に響いた。
 アンダンテ・スピアナードは明るく静かで快く時折眩く輝く。ポロネーズは以前聴いたベートーヴェンのロンド同様冒険小説を読んでいるように終始ワクワクした。やっぱりこの人の演奏大好き!
 アンコールは春にリヨンで聴けなかったシューマンアラベスクとラモーのなんか。ラモーは比較的詳しいつもりだったが知らない曲だった。
 終演後サッポロクラシックを持って楽屋へ。「いつも有難う!君をがっかりさせてないと良いんだけど…。」
まさかー!
「ラモーどうだった?バレエ音楽を自分で編曲したんだけど…。」
(道理で知らないはずだ)ムチャクチャ綺麗!
 ルーマニアにも来てくれるの?と言われ、5日後のワルシャワには行くことを決めていたけれどルーマニアではエネスコも弾くと言うし決定!その日の夜にチケットを買った。
 …サッポロクラシック進呈。
「これは北海道でしか飲めないやつだね!」
良く知ってるね〜!


 というスイス滞在でした。帰りにはインターラーケンからの電車がいきなりキャンセルされスイス鉄道の印象がドイツ鉄道に近づきました。時間が出来たのでインターラーケンを少し散歩したら街を歩くのは9割が中国人観光客でした。このキャンセルのお陰で早くハンブルクに戻って秋にレーガーを弾くかメンデルスゾーンを弾くか決めようと思っていたのに帰ってから全然練習出来ませんでした。

ドイツただいま〜。

 ザダルのバスターミナルの切符売り場でねーちゃんに英語をバカにされながら買ったチケットのバスは30分遅れて来てザグレブに1時間遅れて着いたがバスの添乗員さんが遅延の対処に大奮闘しているのを見て、「良く有る事ですからね。私達にもどうにも出来ません。」で終わらせる何処ぞの国よりもずっとずーっと良い印象を持ちました。
 ザグレブではさあクーナを下ろしましょうさんと愛しのレストラン『プルゲル』で今年も1種類でも多く!を目標に次から次へと食べましたが完全制覇にはまだ遠く、来年以降も通わねばなりません。

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前菜のサンドイッチ。
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チーズのフライ。
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肉詰めパプリカ。
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きのこのスープ。
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仔牛のソテー。

…もっといっぱい食べたんですが写真がヘタで載せられません。

 

 ザグレブ2日目には隣国スロヴェニアの首都リュブリャーナにハンブルク音楽大学を卒業したフルートのエヴァに会いに行きました(渋くなく首都を巡る)。変わらぬ楽しさで美味しいレストランに連れていってくれました。
 1度ザグレブの日本料理店でラーメンとお寿司を試しましたが中々美味しかったです。

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 帰りの寄り道その1はオーストリアを通過してドイツに入国後直ぐのローゼンハイム(4年ぶり3度目)。地ビールは前回よりも美味しく感じた。


 寄り道その2は先輩夫婦の住むバンベルク。4つのお勧めビールレストランのハシゴツアーを計画してくれました。

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 これで夏の大旅行は一先ず終わりです。

海辺の街のコントラスト

 7月27日、アドリア海沿岸の街シベニクへ。一昨年もお世話になったペンションのドイツ語ペラペラな女主人は今年もお元気だった。世界遺産の大聖堂を有する美しい街だが前日までいっぱい坂道を歩いたしバスにも乗り過ぎたし暑いし街は一昨年観まくったからいっか〜と平らな道をウロチョロしただけ。だってシベニク坂多いんだもの。
 ここで再びさあクーナを下ろしましょうさんと愛しのレストラン『シムン』で合流。前回撮影しておいたメニューで2年間しっかり妄想して来たもののいざテーブルにつくと目移りが…結局名物パスティチャーダと焼き魚を頂いたがどちらも美味〜い!営業時間を大幅に過ぎていたがお店のおにーちゃん達の残業風景も何やらとても楽しそうだったので閉店まで居座った。
 翌日さあクーナを下ろしましょうさんはザグレブへ、私はもう1つ海辺の街ザダルを目指すが朝メシ時間が十分に有る。海に面したレストランでイカ墨リゾットとタコのグラーシュを頼んだ辺りから表の天気が凄い事になって来て窓辺の鉢植えは吹っ飛び看板はぶっ倒れテラス席のテーブルクロスは舞い踊り、店のおっちゃんは暴風雨の中テラス席を片付けに表に出た。軒下で雨宿りしていた観光客が諦めてゾロゾロと入店して来たのでおっちゃんはしめしめと思ったかも知れない。
 料理はこれまた美味かったッ!シベニクに愛しのレストランが増えたので次回は2泊せねば…というわけで今年のシベニクは食べ物の思い出が殆ど。


 バスが1時間遅く来て2時間遅れてザダルに到着。クロアチアのバスの評価が自分の中で少しずつドイツ鉄道に近づいていく。予約したアパートは旧市街の中にあり市場のすぐ近く。オーナーの女性は朗らかで親切で部屋は広くて洗濯機まで有った。1週間位住みたい…。

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 散歩に出てどの街角もおおステキと思って中央広場に着いたら…

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もの凄い大勢の観光客!こりゃ春に行った時に歩道が渋滞していたアムステルダムに匹敵するぞ…。これに比べればシベニクは人がずっとずーっと少ない…。
 ということはあの時のように夕食にも苦労するかも…と嫌な予感が頭をかすめる。


 予感的中。


 旧市街には国籍も様式も様々なレストランがズラ〜ッと並ぶがどこもかしこも満席。結局旧市街を外れた所に有るイタリア料理店に滑り込んだ。なんでクロアチアでイタリアンに…と思ったものの海辺の街だし貝やら海老やらのドチャッと載ったプレートを注文。美味しく頂きました。

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 「地ビール」とメニューに書いてあったのでザダルスコが出て来るかと思ったら残念ながらザグレブでいつも飲んでいるオジュイシュコでした。帰り際にクロアチア語でさようならと言うとお店のおじさまが日本語でアリガトーと言ってくれました。
 暗くなった海辺で幻想的な響を聞かせる「風のオルガン」を聞いてアパートに帰りました。

渋く首都を巡る(その2・クニン編)

 起きたッ!というよりも寝なかったッ!真っ暗な中朝メシを諦めてスイートルームに別れを告げた。ホテルがバスターミナルの近くで良かったッ!クニンまでは約5時間。バスの中で寝るつもりが寝たり起きたりを繰り返しながら今回3度目のバス越境を経て昼前にクニンに着いた。
 クニンは1990年代前半にクロアチア国内に事実上存在していた未承認の独立国家クライナ・セルビア人共和国の首都であった。バニャルカに続いて地味〜に知られざる首都巡り(喜)。
 しかしここが首都ってどんな国だったんだろう…これはリヒテンシュタインのファドゥーツよりもっと小さいかも…。

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駅。新しくて広い!誰もいないけど。

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駅前通り。


 先ずは何か食べねば!雰囲気の良いピザ屋さんで昼間っからクロアチアワインと共にピザを頂き、少し早いけれどチェックインを…。
 ゲストハウスは既に市街地の外れで、ガラガラージャリジャリーとスーツケースを15分程引きずりながら到着したらオーナーの女性がジュースとスナックと愛しのクロアチアシュナップスでお迎え下さった。やっと着いた〜と安心したら突然発疹が全身に!!!それを見たら気持ち悪くなってそこに鳥肌も加わった…今日は安静にするか…。
 物の30分も昼寝したら完璧に治ったッ!さあ街唯一の名所の城址を観に行きましょう!
 ノヴィサドにしろバニャルカにしろ今回は下調べ殆ど無しで訪れた街に何故か要塞や城址があり内2つは丘の上。モドリチャの芋虫教会といい今回の旅はとても歩いている気がする…。
 到着しました〜!チケット売り場、無人
 …ラッキー!入っちゃえ!という手もありましたが理性が働いて暫く売り場付近をうろうろしていたら城方面からおねーさんが、「見学をご希望ですかー?」と叫びながらやって来た。
 展示室も無人だし案内表示は少なくて迷うし(方向音痴のせいも大きいけど)補修・整備もあまりされてないし商売っ気の極めて少ないクニン唯一の名所だった。でも面白かった!

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 何故か食欲が無かったのでスーパーで見つけた我がビール友達と同名のビールとクロアチア名物の辛口サラミ等を部屋で飲み食いしてさっさと寝る。

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 翌日バスターミナルに行って昼過ぎのシベニク行きのバスのチケットを下さ〜いと言ったら今日は土曜日だからこのバスは無いよと言われていきなり3時間も暇になった…思わず公園で1時間瞑想してしまいました。
 出発が遅くなったので昼はクニンで食べることにした。とすると市街地とゲストハウスの中間のホテルレストランの入口でゆ〜っくり回っていた豚や羊の丸焼きが気になった。さあクーナを下ろしましょうさんは昨日まで羊の丸焼きが名物の街にいたしここは豚で勝手に対抗することに決定した(バカ)。

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 ビールはチェコビール(しかもまたグラスが違う)ですが…。
 渋い首都クニンの滞在もそれなりに満足して海辺の街シベニク(2年ぶり2度目)に向かう。

渋く首都を巡る(その1・バニャルカ編)

 7月24日、芋虫教会訪問後ボスニア・ヘルツェゴヴィナ第2の都市バニャルカへ。第2の都市ですがボスニア・ヘルツェゴヴィナスルプスカ共和国セルビア人共和国)の首都であります。新築のモドリチャのバスターミナルに行くと止まっていたのはミニバスで超にこやかなおにーちゃんが運転手さんです。モドリチャからバニャルカまでは3時間位なのですがおにーちゃん運転も超上機嫌で最初の1時間半は曲がりくねったアップダウンの多い(と言うかそれしかない)険しい険しい路を飛ぶように走り久々に乗り物酔いするかと思いました。

 バニャルカのバスターミナルから市街中心部まではかなり遠く歩いて20分程かかります。毎年さあクーナを下ろしましょうさんからボスニア各都市は体温より暑いと聞いていましたが確かに暑い・・・荷物も有るしと思ってバスターミナルの近くのホテルを予約しておいて良かったッ!チェックインすると英語ペラペラ(ペラペラだと却って分かり辛い)のおねーさまが、「お客様は初めてのご来訪なので部屋をグレードアップさせて頂きました。」と。それはどうも。早速ステキな部屋で洗濯などさせて頂こうと思います。

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 洗濯後翌々日の目的地クニンへの切符を買おうとバスターミナルへ。なっなんと時刻表が無い!窓口のおねーさんに訊くと朝5時半発しか無いって!まさかそんなはずは・・・電車ならどうだと直ぐ近くの駅に行くと電車の数自体がもの凄く少ない。第2の都市なのに・・・首都なのに・・・。

 今晩悩み続けることにして市街地を目指した。20分歩く途中には数々の誘惑が待ち受け、暑いのであっさりと誘惑に負けてとても怪しげな飲み屋へ。ボスニア瓶ビールを2種類頂いて出る時マスターが、「また来て下さいね!」と言ってくれた。

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 幾つもの宗教が共存する国だけあって教会も様々。

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正教会
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モスク。

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イモモドキ。

 散歩の帰りに軽食屋さんで本場中の本場のチェヴァプチチを頂く。ピタパンの中に入ってくるのがボスニア風らしい。

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 お会計の際に、「10.◯◯マルカ」の◯◯の部分が聞き取れなかったので小銭を見せてそわそわしていたら、「10マルカで良いですよ!」って。また親切な人に出会った。

 

 次の日クニン行きの謎を解明すべく再びバスターミナルへ。やっぱり5時半発しかないって・・・しかも時刻表は有りますか?と訊いたら、「時刻表は今は有りません。」だって・・・。ルート変更も考えたがサラエヴォ1泊だけとかスプリット素通りとか勿体無いしやっぱりクニンに行くことにした。5時半かぁ(涙)・・・。

 ステキな部屋で快眠を貪ることはキッパリと諦めていざ城址公園へ!城カフェは有ったが博物館も見学ツアーも無く飾り気のない城址でそれが却って爽やかだった。どうかこのままでいて欲しい。

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 夕食は中心地に近いレストランで。さあクーナを下ろしましょうさんが探すのに苦労したという生ネクタービールが有ったので早速注文・報告した。

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 かくしてバニャルカの夜は更けて今日の睡眠は4時間程度である(涙)…。

芋虫教会を意地で訪ねて

 初めてのボスニア・ヘルツェゴビナ!の最初の滞在地として選んだのはモドリチャという小さな街。昨年サッカーのワールドカップクロアチアを準優勝に導いたモドリッチ選手を思い出されるかも知れませんが彼は関係無いらしいです。オシイェクからサラエヴォに電車で向かう途中どこかに寄って行こう!と思って調べたところこのモドリチャかドボイが丁度良さそうだったのでこれらの街がどんなところかちょっと検索してみたら…

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へ〜んな教会!芋虫みたい。


 全く行く気は無かったのですがその後サラエヴォを諦めてバニャルカに行くことにしたりノヴィサドからドボイへのバスが極端に少なかったりブルチコからバニャルカだとバスの乗車時間が長過ぎたり…


 …これは芋虫の神のお告げかも知れない。


 と運命を感じてモドリチャに1泊することにしたのです。

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 ボスニア・ヘルツェゴビナに入国するとモドリチャ到着前に幾つかのイモモドキを発見しましたがまだまだ本家の芋度数には及びません。いつのまにやら楽しみになって来ました。

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 バスターミナル前は寂れ度数高し。


 ホテルまでの直線距離はそんなに遠くなかったもののメインストリートを越えた後はずっとず〜っと急な上り坂で、いまここでスーツケースを手から放したらまた下まで取りに行かなきゃ(オルフェウス大作戦)と思いながらゼェゼェとホテルに到着しました。


 ガーン芋虫教会遠いんだってーショック!でっでもここまで来て見ずに帰れるかッ早起きして歩いて行ってやるッ!…なにやら旅の目的が当初と大分ズレて来た気が…。


 ホテルのレストランのおにーちゃんがトロンボーンのワイルドな男(ドイツ)に似ている…ちょっと太めだが…試しに訊いてみたらやっぱりドイツ語が話せたッ!まさか本人ぢゃあるまいな…。でも凄くフレンドリーだったのでやはり本人ではないらしい。
 食後はチェックしておいたメインストリートの端っこのビアバーでボスニア・ヘルツェゴビナスルプスカ共和国特有のビール『ネクター』を生でガブガブ頂く。明日行く予定のバニャルカでさあクーナを下ろしましょうさんが中々見つけられなかったという生ネクターをいとも簡単に飲んじゃってちょっと申し訳ない気分。


 翌朝早起き(と言っても7時半頃)して芋虫ツアー敢行。地図アプリによると片道40分近くかかるそうで多少急ぐ。これで違う教会だったらもう1度芋虫を目指す時間は無い。どうか合っていますように(何故こうなったんだろう)…。
 街を外れて非舗装道路や草むらが増えて来た。この角を曲がれば教会が見えてくるはずだ。果たして!?

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 じーん合ってた…。

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 そんなにこの教会を見たかったのかあっ!?と言われれば返す言葉が有りませんが丘の上に真っ青な空をバックに聳える様はびっくりする程美しく、芋虫なんて言ってすみませんでした…。

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 でも正面に回るとやはりイモでした。


 目的を果たし何故か大満足でホテルに戻り、小さな小さな白い猫さんに右の足から左の足と戯れられながらチェックアウトをして次なる目的地バニャルカに向けて出発したのであります。