笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

小荘厳ミサ曲

 自宅待機が始まって半月が経ち不安が募りますが、ブログくらいは楽しい文体で書きたいと思います。

 

 4年に1度の2月29日!ブレーメンからオランダ方面に少し向かった所に有る街オルデンブルクにてロッシーニの小荘厳ミサ曲を演奏して来ました。
 昨秋、まだ学生だった17年前(!)に卒業演奏会で共演したフルートのCから電話で、「主人の指揮するアマチュア合唱団の演奏会で弾いて欲しいの。」と依頼された。小荘厳ミサ曲といえば歌劇はどれもこれも同じに聞こえるロッシーニの、珍しく同じに聞こえないシリアスな曲(ミサ曲だから当然だが)で、4人の独唱・合唱・ピアノ及びハーモニウムという特殊な編成の為に書かれた演奏に1時間半を要する大作である。幾つかのアリアは単独で学生達と演奏したことがあるが全曲演奏の機会は殆ど無い。それにオルデンブルクといえば我が愛しのビールの郷イェーファーの近く。以前そこに数ヶ月滞在して現代オペラに出演したプリケツ(テノール・ドイツ)が、「そこら中の店でイェーファーが飲めて天国だった!」と言っていた。更に2月29日という日程が気に入ったッ!という訳であっさり承諾。
 ロッシーニのオペラアリアの伴奏部分は概してかなり簡単なので余裕をかましていたらいざ練習を始めたら予想より遥かに難しかった…。特に第1部と第2部に1曲ずつある合唱とのフーガが速いし休みはないし跳躍や転調は多いしヒイヒイ言いながら練習した。
 Cとは数年前に1度学校で一瞬言葉を交わした以外は本当に久々の再会だったが駅に迎えに来てくれた彼女は以前のまま可愛くて面白かった。しかも、「全然変わってないわね!」と言ってくれた。あの頃よりも15キロ以上太ったのに…。
 声も外見も若々しい男声のソリスト2人は今後演奏活動を続けるべきか否か迷っているという。何故?と思ったら2人共還暦を過ぎていた…ドイツ人でも若く見える人っていっぱいいるのか…。女声2人は歌劇を中心に活動しているそうだが、美意識の高い人は歌劇でも宗教曲でも良いのだと納得。
 ハーモニウムは指揮をするMの師匠で職人気質の人。ライトの明るさにも神経を使い、時には指揮のM以上に速度へのこだわりを示した。
 演奏会では最初の1音を1拍早く始めてしまう大失態を演じた…他は1時間半ず〜っと楽しく弾いた。打ち上げでは愛しのイェーファーをザバザバ飲みながら男声歌手とビール談義をし、メゾソプラノ歌手とワイン談義をした。翌日はCが街を案内してくれ、礼拝を終えたMの運転で北海に面した小さな街グレーツィルに連れて行ってくれた。

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虹の橋!

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