笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

髪の芸術家、卒業。

 5月11日、髪の芸術家(フルート・ウクライナ)卒業演奏会。 今はドアマン先生のクラスですがサンタ先生の元生徒の最後の卒業演奏会になります。
 華奢な身体で以前はちょっと泣き虫でした。入学してわりと直ぐトロンボーンの面長(ドイツ)と付き合い始め、彼のお陰かドイツ語はみんな彼女をドイツ人かと思うほどペラペラ。遂に最近結婚して幸せそうです。
 しかしいくら幸せだからといって彼女体力持つの?と心配になりそうなハードなプログラム。テレマンソナタ・チュビンの演奏会用アレグロベームのグランドポロネーズリーバーマンの協奏曲・マウアーのドゥードゥル&フライトに最後はクラリネットとの3重奏で今年没後100周年のサン=サーンスのタランテラ。チュビンとベームは音が多くて楽譜が真っ黒。リーバーマンは超パワフルで技巧的にも至難。おまけにチュビンは彼女がどうしても暗譜で吹きたい!と挑戦していたが前日まで1度も完奏出来たことがなかった。


 本番、チュビン見事完奏。努力は必ず報われるのです。


 スタミナも最後まで切れることはなかった。この演奏会はライヴ中継されていたが、視聴していた友人が、「私もリーバーマン吹きた〜い!」とメッセージをくれたほど。
 ハンブルク市ではこの日まで(チッ)午後9時以降の外出が禁止されていたので出演者は全員学校発行の許可証をもらい、終演後は速やかに帰宅。サンタ先生も演奏会に駆けつけましたが残念ながら打ち上げはナシ。でもとても満足そうでした。


 先月の非公開試験を終えて髪の芸術家は、「8年前の入試でこの部屋で緊張しながら吹いたことを思い出して…」と涙を見せた。8年間で素晴らしい成長を遂げた彼女。私も感慨深いです。