笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

誰が料理する?

 なんとまたしてもウチで誰かの為に料理をすることに…!

 カレンダーに『食事』とだけ登録してあってどこで誰とか分からなかった。多分前の大家さんの新居で尼さん夫婦とご馳走になるんだと勝手に思っていたら学内演奏会の後の忌まわしき打ち上げ会場で誉め殺し先生に、
「月曜日にあなたの家にお邪魔する約束はまだ有効?」
と言われて謎が解けたッ!しかし招待される側とする側では偉い違い…。急いで対策を練らねば。
 料理の得意なチーカマさん(日本)は誉め殺し先生の元生徒。彼女に手伝ってもらいた〜い!と思って打診したら残念ながら夕方までお仕事であった…。
 しょうがねェ元大家さんに無理矢理食べさせたメニューを繰り返すか。でも僅かに新しい物に挑戦したい気持ちも有って幾つか試作。豚キムチは豆もやしが買えなかったから白菜キムチだけで作ってぜんぶ自分で食べた。鮭とじゃがいものしょうゆバターはフライパンではなく鍋で作って形崩れしたから全部自分で食べた。豆腐チーズケーキはよく見たら難しそうだったから豆腐だけ自分で食べた。お客様がウチに着く前に腹一杯(大バカ)。
 結局前回よりも増えたのはいつも作っているポテトサラダだけ。後は茶碗蒸し・豚汁・深川飯に水羊羹と前回と全く同じ。少なくとも水羊羹は前回よりも良い固さになったらしい。
 誉め殺し先生は、「後10分で着きま〜す。」と連絡をくれてから30分してようやくご到着。イエスキリスト先生はウチまで20メートルの所まで来ていながらギブアップの電話が来て迎えに行った。こういう人達だからこそ私と上手くやって行けるのだろうか。でもそのお陰で仕事を終えて合流するチーカマさん到着まであまり待たなくても良くなった。
 先生お2人の所属する北ドイツ放送交響楽団は何度も日本に演奏旅行に行っているし、おまけにイエスキリスト先生はよく近所の日本料理店に行くらしい。チーカマさんはパーティーで自ら腕を振るうそうだから例え1口食べて顔をしかめて箸(今日はフォークとスプーンだけど)を置いてもショックは受けません…と覚悟したもののみんなちゃ〜んと美味しい美味しいとぜ〜んぶ食べてくれて一安心(失敗しようのない物ばっかりぢゃないかって?悪かったな)。リロイ・アンダーソンの曲をBGMにワインやビールを次々と空けながら音楽や宗教・政治論が展開されましたが、宗教や政治の話には私は全然付いて行けませんでした(ましてやドイツ語)…。
 楽しいからまたやろう!毎回誰かの家で!とイエスキリスト先生がWhatsAppグループ『誰が料理する?』を作成されましたが2巡目も同じメニューでは進歩がないので新メニューを開発しないといけません。