笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

卒業演奏会(観客編)

 夏学期も残すところ後3日となりましたが、フルートのDが最終日に卒業演奏会をするので私の夏休みは殆ど誰よりも遅く始まるのです。今学期卒業演奏会で共演した学生はDを入れて6人(誰も忘れていませんように・・・)と多くは有りませんがそれぞれに想い出深い演奏会演奏会になりました。近々1人ずつ紹介しようと思います。

 時間と興味が有れば自分が弾かなくても卒業演奏会に顔を出します。ピアノのK先生のお勧めで聴いたチェロのR(ドイツ)は我が愛しのプロコフィエフソナタを演奏。ひとつひとつの音に意志力が感じられ特に第1楽章の終結部で響きが1段広がった時には思わず鳥肌が・・・!隣町リューベックの大学院に進学することが決まったそうで、残念ながらもう演奏は聴けなくなります。
 ハープのL(フランス)とは非公開試験で共演しました。まだ1年生だった彼女が準備段階で非常に苦労した室内楽の難曲を本番で立派に弾き遂げてから3年経ちました。どの曲も良かったですがクルジェネークの現代的なソナタでの色彩感が最も印象的でした。
 猫背君(ギター・イラン)とは共演する予定でしたが曲目変更によって観客に。自分で編曲したバッハのヴァイオリン・ソナタも良かったですがタンスマンのカヴァティーナで時々天国的な響が・・・特に張り詰めた静けさのサラバンドが美しかったです。
 Lも猫背君も会話が楽しく酒も飲める方。共にハンブルクの大学院に進むようなので今後も楽しみです。

 卒業演奏会は修行の成果を発表する場所ですからしっかり準備して思いっきり演奏するのが良いですね。「試験なんて受かりさえすればいい。」と公言するような学生の演奏は聴く人が聞けば直に分かる筈です。