笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

嵐を呼ぶ男

 ナツ菌さんとの動画撮影を終えた足で調律師Yさんと飲む為だけに掛川へ。大雨の予報だが運良く雨に当たらず掛川着。

 思えば帰国当日も千葉県各地で川が氾濫して大変だったのに何故か問題なく成田から上野まで到着出来た。運が良いのか悪いのか…。
 掛川では2度おいしービールを飲みまくった中華レストランが今日に限ってお休み…。代わりに連れて行ってもらった和食レストランでは何を食べてもおいしー。運が良いのか悪いのか…。


 翌日旧友ジョンと飲む為だけに名古屋へ。台風の予報だが到来より早く名古屋着。早〜く着いたからホテルの近くのスタヂオを借りて2時間程ピアノを練習した。
 …2時間経ったら、来たみたい。ドド大雨。スタヂオからホテルまでは歩いてほんの2分程度だったがとても嵐の中を進む気がせず直ぐ隣のラーメン屋さんへ…。
 いくら長居をしても雨は収まらず濡れながらホテルに着いた。とても外出出来る雰囲気ぢゃなくジョンに、
「どうする〜?」
とメッセージを送ると、
「地下鉄が全部止まった…。」
とのこと。こりゃダメだ…。それどころか今日私は晩メシにありつけるのだろうか…?
 幸いジョンは明日の昼も時間が有ったのでランチに予定を切り替えた。そのうち雨も収まりホテル隣のコンビニで不健康食品を買い込んで虚しき晩御飯を決行。いいもん。不健康食品には不健康食品のウマさがあるから。


 翌日ジョンにウマい寿司屋に連れて行ってもらった。大満足(便利な性格)。


 真っ直ぐ函館に帰るのが何となく勿体無くてどこかで寄り道を!と思うものの思い立ったのが遅過ぎて福島も仙台もホテルが空いていなくて9年前に盲腸を抱えて訪れた山形へ。玉こんにゃくや焼き蛤に山形ワインまで美味しくいただき懐かしの山寺も再訪しました。
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 松尾芭蕉記念館に行ったら見事休館日。生きて行くのがイヤになった…。
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 山形から初の仙山線に乗って仙台へ。さぁ初めての風景を見まくるぞ〜ッ!と思っていたのに居眠りしてしまった…。でっでも仙台駅で乗り換えに時間があったので仙台名物を買いまくる。転んでもタダでは起きないのです。
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 函館に戻って片付けに精を出すつもりでしたがそんなことはぜ〜んぜんしないで翌週エッセンで弾かねばならぬフルートの曲をヒィヒィ言いながらさらい続けたのでした…。

本格動画撮影

 試宴会翌日、台風接近が伝えられる中ナツ菌さんと動画撮影の為荻窪のスタヂオへ。朝10時前の待ち合わせにも関わらずナツ菌さん髪をセットして準備ばっちり。

 …ところが到着したらスタヂオのオーナーさん忘れていたのか寝起き感満載。
「何の楽器の撮影でしたっけ…?」
と急いで準備してくれましたが比較的小さなスタヂオ内にマイクや照明・モニターにミキサーと本格的(で高そう)な機材がいっぱい!見ているだけで気合いが入ります。
「あああ緊張する〜!」
とナツ菌さんは密やかに騒ぎますが吹き始めると演奏はスラスラといつも通り。録画状態の確認や機械の操作で時間がかかりましたが予約時間内に良い音が録れました。
 例のオーナー氏にファイルを送っていただいたので先ずは私が編集してみて、失敗したらオーナー氏に別料金でお願いしないといけません。今月末のヤバヤバフルートフェスティバルが終わったら直ぐに取り掛かりますからご期待下さいッ!

試宴会とマグロ

 9月6日、大雨の中知られざる学内演奏会(全員とっくに学生ぢゃあないけど)東京編。初めて利用する目白のスタヂオにて。

 そういえば目白駅で降りたことってあっただろうか。なんと言ってもハンブルクに引ッ越して間もなく25年(!!!)経つから記憶が…。
 ほぼ時間通りに到着すると既に先日共演したTさん(ヴィオラ)と1年ぶりのSさん(チェロ)が待機していました。2人は同時期にハンブルクで勉強したのです。
 数分後にフルートのナツ菌さん登場。多分10年ぶりくらいですが以前と変わらぬ雰囲気。私は変わりましたがね…。
 スタヂオはガラス戸を引っ張って仕切るシャレた作り。雰囲気も良く弾いていて気持ちの良い響き。機材が多くて場所が取れず譜めくりはピアノの右側でお願いしたが演奏者にも中々好評だった。
 ナツ菌さんは明日収録を控えたお得意のタファネルとリーバーマンを。Sさんは1年前に私のリクエストで第1楽章を弾いてもらった我が愛しのプロコフィエフの残りの2つの楽章で完結。
 3日前に演奏会を終えたばかりのTさんは当然手持ちの曲がない。この中から何か2日で弾きなさ〜いと幾つか楽譜を送りつけた結果カリヴォダの夜想曲を2曲弾くことにしたそうで。


 ハッ、ピアノパート難しい…。


 そして直前に合わせをしたら2曲目を弾き終えてTさん曰く、


「あんまりいい曲じゃないですね。」


 よって試演会では第1番のみを演奏したのでありました。


 大雨の中打ち上げにはもっちーさんとだっちょさんも合流したのだがそこの女性店員が超無愛想。マグロのブツ切りを頼んだらまな板に山盛りのマグロが運ばれて来て彼女が超棒読みで説明してくれた。
「こちらからトングでこちらの壺に入れて下さい。入った分だけお召し上がりいただけます。外に落としてしまった地点で終了です。」


 …凄いプレッシャー。お値段1,100円で最初の1個を落としたらどうしよう。誰が挑戦する?


 みんなにしつこ〜くお願いされてTさんが引き受けてくれた。順調に取り分を確保して壺は9割満たされたところで、


「あっ!落としちゃった…。」


…い〜や君は良くやったよと一同から労いの声。無表情に片づけながらおねーさんおまけの1トング(って言い方有る?)を上乗せしてくれた。もしかして良い人かも知れない。
 彼女の無愛想を補うかのように他の店員さん達超フレンドリー。そこに時々例のおねーさんがやって来て絶妙なバランスが保たれたのであった。

 

完

聴衆編

 トリオ・マッチポイントの演奏会の日程は完璧であった。お陰で翌日・翌々日と続けて友人達の演奏会に行けたッ(1日遅かったらもっといっぱいお客さん呼べたのに!と言う意見もありましたが)!
 先ず4日は同門Sさんのリサイタル。ベートーヴェンのソナタを3曲ですが今回は3曲とも好きな曲でラッキー!なんと同級生のKさんも来ていてベートーヴェン談義に。彼女はソナタ全32曲を勉強したそうで…。実力者で研究熱心な彼女と知っていましたがそれにしても凄いッ!凄いですッ!
 Sさんの演奏は、先ず『月光』は最近弾いたばっかりだからやっぱり良い曲だ〜としみじみして、『ヴァルトシュタイン』はひさ〜びさに弾いてみたくなって、作品109はまだ弾いたことがないから是非弾いてみたくなる、そんな演奏…。要するに凄く良かったッ!


 翌5日は何度もご一緒したヴァイオリンの同級生ケイコサンのリサイタル。ピアニストのOさんがイギリス音楽に造詣が深いということでモーツァルト・ディーリアス・ベートーヴェン・エルガーという何度も独創的且つ魅力的なプログラム。


 素ッ…素晴らしかッたッ!


 リサイタルは10数年ぶりということだからもしやカワイで一緒に弾いた時以来?2ヶ月前に大阪公演が有ったとはいえ高〜い完成度。流石プロ!


 …私も一応プロなんだけど深〜く尊敬。2日前のマッチポイント演奏会でもハラハラしながら弾いたし、情けな〜い。
 そしてピアニストのOさんも素ッ素晴らしかッたッ!明確で伸びやかな響き・スケールが大きくしかも神経が行き届いている。略歴によると私よりも30回前のコンクールで入賞されている。きっと若くして受賞されたのだろうがそれにしても世の中にはすごい人がいるもんだねぇ…。


 エルガーのソナタをじっくりずっしり楽しんだ後のアンコールは同じエルガーの誰もが愛する旋律『愛のあいさつ』。ソナタの後で聴くといつも以上に深い曲に聴こえる不思議。


 1つ懺悔すべきはケイコサンの略歴に、
『ピアニストの伊藤野笛氏とのデュオ』
とちゃ〜んと書いてくれているのに2日前の演奏会では私の略歴に彼女の名前を書いていなかったッ!大失態ッ!!!以前はいつも書いていたので今回もとばかり思っていたら…次からもっとちゃんと確認します…。


 次回はまた10数年後な〜んとことはないと良いですが次回が楽しみです!

トリオ・マッチポイント延長戦

 9月3日、トリオ・マッチポイント演奏会。4月の予定がまなこの関係でや〜〜っと開催。でも新曲・難曲揃いで準備期間が延びたのは良かったかも(バカ)。


 今回のプログラム


・フット
サラバンドとリゴドン
・マクダウェル
エアとリゴドン
『森のスケッチ』から
1.のばらに寄す
6.すいれんに寄す
・シニガリア
シューベルトの『のばら』による12の変奏曲
・ヒンデミット
ヴィオラ・ソナタ 作品25の4
・マシューズ
モンタナ・テイラーのブルース
・レフラー
2つの狂詩曲
1.池
2.バグパイプ


 ヒンデミットが1番有名という…。「もっとみんなの知ってる物を。」と言う人は絶ッッッ対来ないだろうな。めづらしい作曲家ばっかりだから資料不足でプログラム・ノートを書くの大変だろうと思ったらみんないっぱい書いてくれて私のが1番ショボかった…。いつもお世話になっている主催者のHさんに、
「長過ぎるかも知れませぬ。」
とぜ〜んぶ送ったら見事別紙挟み込みになりました…。
 マニアックなプログラムなので反応が心配でしたが終わってみると『楽しかったッ!』という感想を多く頂きました。『知られていなくても良い曲っていっぱい有るのね〜!』とも。元々知られざる作品を密かに広めたい!というのは我が望み。大自己満足に浸りました。
 「またやってね〜!」とも言われましたがこの編成の為に書かれた(しかも弾きたい)曲はもう殆ど無い…。今回はホントの『マッチポイント』だったかも…。
 でもプログラム最後に演奏したレフラーの大曲『2つの狂詩曲』は習得に時間がかかりましたが日に日に惹かれて行きました。再演の機会があったら今回よりももっと良い演奏が出来るような気がします。


 それにしてもマッチポイント閉店から早12年。今でも恋しい…。

南北アメリカ縦断

 8月25日、内輪独演会。サーモンまるなまホールに続いて会場の亀田交流プラザ(旧亀田福祉センター)も『北海道ハウス・タウンプラザ』と再度改名したらしい。なんで?迷惑な(怒)。


 今回の曲目


・エステン
人形の夢と目覚め
・ラビツキー
アルプスの乙女の夢
・ルビンシテイン
天使の夢
・ショパン
前奏曲 作品45
スケルツォ第4番 作品54
・マクダウェル
エアとリゴドン 作品49
『森のスケッチ』作品51より
1.のばらに寄す
6.すいれんに寄す
・レクオーナ
夜への前奏曲
真夜中のコンガ
・ヒナステラ
ピアノ・ソナタ第1番 作品22


 中学の同級生ごっちゃまが来られると事前に聞いていたので放送委員だった彼が毎日聞いていたであろう下校時の音楽『天使の夢』を弾くことにして、ピアノを習っているごっちゃま娘も来てくれるかもと思って『夢』に関するサロン小品を更に2曲弾いた。『アルプスの乙女の夢』か『放浪者の夢』か迷ったがよりポジティブっぽい曲の方が思って…。
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 スケルツォ第4番は急に弾きたくなった。これでショパンのスケルツォ全4曲を1度は人前で弾いた。因みに最初に弾いたのは第1番で40年前…。その数ヶ月後に第2番…。その1年半後に第3番…。全て北海道の学生コンクールの課題になったからで、当時はいろんな曲を勉強したかったから課題曲が発表される度に、
「またスケルツォ!?」
と半ばウンザリした。そのせいで凡そ40年間スケルツォ・アレルギーだったのかも。
 ショパンが1曲ぢゃあもったいないから1度(27年前)しか弾いたことのない前奏曲も組み合わせたがキレイさっぱり忘れていてハラハラしながら弾いた(バカ)。


 何か1曲は私らしいワイルドな曲を勉強したいと思って兼ねてから憧れのヒナステラ(アルゼンチン)のソナタを弾くことに。学生の頃に或るコンクールで中国のピアニストが弾いたのを聴いてワナワナウルウル会場を出て以来だから34年前!?行動を起こすの遅過ぎ!誉め殺し先生のことをとやかく言えない…。でっでもおじーさんになる前に少しはワイルドに弾ける内に弾こうと思って…。
 それから翌週室内楽の演奏会で取り上げるマクダウェル(アメリカ)も弾くから第2部は南北アメリカ大陸縦断にしてキューバのレクオーナの小品を組み合わせた。そういえば『アメリカ横断ウルトラクイズ』が復活するそうですね(個人的大歓喜)。


 結果、やはり後半集中力ふっ飛び。演奏中の頭のリフレッシュに努めねばならぬ。


 同じく同級生のクドも来てくれて終演後歓談。今日のプログラムどうだった?


ご「後半野笛らしかったよ。」


う〜ん毎回的を得ているなぁ。


ご「いきなりお湯が沸いてびっくりしたけど。」


は???


 な〜んと『人形の夢』は湯沸器のメロディーなんだそうで…。知らなかった。でもお陰で1曲目からお馴染みの旋律に出会えてホンワカしたお客様もいらっしゃるのではなかろうか。そして『天使の夢』は全然覚えてないって(涙)。


 今回はプログラムの80%位が新曲。我が頭はまだ物を覚える力を持っているらしい。次回は何を弾こう?

サーモンまるなまホールにて

 8月13日に成田に到着しまして前の日の台風に当たらなくて良かった〜と思いつつ全く普通に京成線で上野に着いてホテルで惰眠を貪っていたが、千葉県内は大変な水害で交通も半ば麻痺していたと知り、一体自分はどうやって上野まで来れたんだろうと不思議に思ったのであります。

 15日に函館に入り20日に恒例のTさんと生徒さん達との演奏会です。3月の予定がまなこの手術で延期されたので1年ぶりです。
 数年前から『アニヴァーサリーの作曲家を中心に』プログラムを組んでいますが、今回は没後400年のダウランド・生誕270年のモーツァルト・没後170年のシューマン・生誕150年のヴォルフ=フェラーリ・生誕140年の山田耕筰の声楽作品が並んだ。
 私は10年単位で選ぶとキリがないので50年単位(又は没後50年以内は10年単位)の作曲家を取り上げるが、意外といない。


・ファリャ=生誕150年
 他の曲と合わない。
・ブリテン=没後50年
 丁度良いピアノ曲が無い。自身がピアニストだったのにッ!
・武満徹=没後30年
 弾ける訳ない。


 ぢゃあイタリア・オペラのアリア3曲に合わせてイタリア物を!


・レオンカヴァッロ
 なかなか可愛いピアノ曲が有るんだけどイマイチやり甲斐がない。
・マルトゥッチ
 プログラムにピッタリの舟歌が2曲共イマイチ。
・カセッラ
 舟歌1曲だと短いしパヴァーヌも弾いたら暗譜が間に合わない。


 そういえばかなりの有名作曲家ヴェーバーも没後200年。有名な割に巷で作品を聞かないが(唯一)人気の歌劇『魔弾の射手』からのアリアは?一世をぢゃなくて伊藤家を風靡した『野辺に咲くばら』をはじめとして歌曲もいっぱい有るがどなたか歌いませんか〜?


「歌いません(きっぱり)。」


 おお可哀想なヴェーバーさん。没後200年なのにだ〜れも彼の曲を演奏しない。思えば以前ヴェーバーの故郷オイティンでヴェーバー協会主催の歌曲の夕べの後の夕食会でも協会長さんに、
「次回はヴェーバー以外の作品で!」
と言われたヴェーバーさん。


 ………。


 それでは私(わたくしと読んで)が貴方様の華麗なるロンド『舞踏への勧誘』を弾いて差し上げましょう(バカ)。


 そんな訳で今回の独奏曲はガラにもなく2曲とも超有名曲(もう1曲はショパンの舟歌)。どちらも良く知ってる曲だから楽勝!と思ったらどちらも終わり近くで集中力がふっ飛ぶ悪い癖が…。


 共演する生徒さん達が毎回良くなっていくのが楽しい。Uさんのダウランド良かったッ!Sさんのベッリーニ立派だったッ!Tさんの低音良かったッ!師匠のTさんは完成された歌手なのでいつも通りの実力だが今回はシューベルトの『こびと』が大評判。ドラマティックな名曲だから当然ですがねっ。ピアノ難しいけど…。


 余談ですが幼少時から何度となく通った会場の函館市民会館。
「チラシが出来ましたッ!」
とデータを送っていただいたら…!


 会場:サーモンまるなまホール


 ………………。


 一体なぜ!?しかもこのネーミングセンス…。


 行ってみたら白い壁に鮭の絵と新しきホール名がでかでかと…。


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人が見れば水産加工工場かと思うであろう


 演奏とは別に衝撃の経験でありました。