笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

今年の入試は…

大学院独唱部門の入試では同点3位がズラリと並んだらしく当校卒業予定者が同情票を得たらしい。具合先生は、「先生達が高得点を出し過ぎるからこういうことになる。来年から全部抽選にすればいいんだッ!」と半ば呆れていた。

フルート入試。愉快なハプニングが3つ。
1.デュティーユのソナチネを吹いた或る受験者は長い低音をぜーんぶ数え間違え、その都度私は彼女が続きを吹き出すまで待たねばならず、終いに先生達が声を出さずに笑い始めた。
2.バッハのホ短調を吹くと言うので最初の和音を弾いたら半拍遅れて始めるはずの彼女も何故か同時に吹き出し、しかも次に続けないので2人揃って最初の音で止まった。何この人と思ったら、「ごめんなさい!ホ長調でした!」と。
3.「起きて!」という現代曲を準備した受験者。アラーム音と一緒に演奏する為に目覚まし時計をオンにしたら、「ピピピピッ…ピピピピッ…」と当然音が流れ、曲を知らないサンタ先生が、「一体何事!?」と騒ぎ出したのを隣のジャイアンが小声で、「もう始まってるんだっつーの!」と制止。

声楽科学部の入試。聴音・音楽理論で逸材が落選するのを緩和する為か実技試験の直後に各受験者にそれらの試験が課せられた。あまりの出来の悪さに驚いた先生もいたようだが私は出題した先生の真上から目線の方が不愉快だった。

オーボエ入試。先生お2人共今年はなるべく生徒を増やしたくない様子で採点が厳しかった。そんな中落武者先生が或る受験者に注目し、彼を取る!と言って数少ない合格者リストに名前を載せた。結果が出て先生はその受験者に、「おめでとう!君は合格したよ!」と言うと何と!彼の口から出たのは…
「あ、でも僕◯◯◯ー◯の学校にも受かったのでそっちに行きます。」
勿論心証を害した落武者先生、「じゃあ一体なんで今日吹いたの?」と聞くと…
「受験料払ったから。」
一同唖然。B先生曰く、「バカか、生意気か、両方ね!」
全くです。