笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

名古屋にて。

 名古屋で弾いて来たのでございます。
 友人がずーっと前からいっぱい住んでいて何度も遊びに行った名古屋ですが公開の場で演奏するのは何と初めて!…と思うがあんたいつどこで弾いたじゃねェかという場合には年寄りの記憶違いと思って頂きたい。
 師匠のコネで捻じ込んで貰った様なものですから他の演奏者の皆さんより明らかにヘタでは申し訳有りません。バッハ、レーガーにカステレードと今までに度々演奏した経験の有る作品を選びました。プログラムは今回も自信作。レーガーの大曲は今まで一度も満足に弾けた事が無いので今度こそ!
 行ってみたら、「カジュアルコンサート」というタイトルだった。知ってたらこんなシリアスな曲ばっかり選ばなかったのに…。
 開演直前、お客さん疎ら(そうでしょうともそうでしょうとも!)。司会の方が、「皆様どうぞ前の方へ!」と促す。あっあのでも五月蝿い曲ばっかりだから出来れば後ろにいた方が…とも言えずお客様に心でお詫びしながら弾きました。
 楽しんで弾いたつもりですがレーガーはやはり納得の出来とは行きませんでした。没後100年に寄せてもう少し頑張りたかったですが、次回に持ち越しです。

 自分の演奏が終わったら他の演奏会を聴きまくります。ベロフ、ルイサダのフランスの両巨匠をはじめ友人も何人か出演しましたがしつこく留まる時差ぼけの為か何度も居眠りしました。出演者の皆さん、大変失礼致しました…。

 面白かったのは最終日に聴いた4つの演奏会。
 先ずハーピストがハープの為のオリジナル作品の数々を披露した後にアンコールでドビュッシーピアノ曲「月の光」を演奏。
 次にヴァイオリニストの演奏会に行ったら彼はアンコールで同じくドビュッシーピアノ曲亜麻色の髪の乙女」の編曲版を弾きました。
 先程の会場に戻りピアニストの現代作品を中心にしたプログラムを聴きました。弾き終えて彼は、「知らない曲ばかりだったと思うので最後にドビュッシーの月の光を…」と言いました。
 音楽祭を締めくくったのはミシェル・ベロフ。ずっと前から名前は知っていましたが聴くのはこれが初めて。意外に若くて驚きました。ドビュッシーの「前奏曲集第二集」演奏後恐らく…と思ったらアンコールはやはり「月の光」でした。鳴り止まぬ拍手に応えてもう一曲。これで「亜麻色の…」だったら笑うよ!と思ったら…

 レ♭ー

 4つの演奏会で聴いたアンコール曲、2曲(延べ5曲)。

 違った演奏者、楽器で聴くその2曲は大変面白く、ベロフの演奏会を聴き終えてドビュッシーを弾きたくなって来ました。

 似合わないから弾くなって?悪かったな。