笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

2017年、夏(4)。

 8月4日、グラーツを出てスロヴェニアを通り抜けクロアチアへ入ります。今日の目的地は7年前から何度となく訪問を計画しては諦めたヴァラジュディン。先ずは国境駅のシュピールフェルトでマリボル行きの電車を待ちます。去年も雨の中でマリボルへの電車を待ったのでした。今年は天気が良いので徒歩越境が頭をよぎりましたが、先が長いので我慢しました。
 マリボルに着くと、乗る予定の電車の一本前の電車が向かいのホームに停まっていたので乗っちゃえ!と思って乗ってしまいました。今日は幸運にも乗る電車がみんな冷房車です。
 一つ前の電車に乗ったのでスロヴェニアの国境駅オルモジュで2時間待ちです。しかし駅の電光掲示板を見ると次なる乗換地クロアチアのチャコヴェツ行きは「バス」と書いてあります。バスターミナルは町の反対側・・・駅員さんを見つけたのでバスの出る場所を確認しました。ここから出ると聞いて一安心。では本格的に時間をつぶすとします。どうやらワインの町らしいです(ムヒヒ)。暑いし荷物が有るので市街地を目指さずこの辺りで何処か探します。
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 オルモジュ駅。この近くに店など有るのだろうか・・・。

 駅の直ぐ近くにワイン屋さんが!バーカウンターも有るようだしここで飲みながら電車を待と~っと思ってヘラヘラしながら入店するとお店のお姉さんはまたまたドイツ語が出来る人でした。流暢なドイツ語で後5分で閉店ですので店内ではもうお飲み頂けませんと仰いました。ショック!急いでお土産用に小さな瓶に入った白ワインを3本買いました(後日冷やしてから頂きましたが辛口で美味しかったッ!)。
 さあて2時間どうしよう。駅の近くに普通の家のようだがゲストハウスと小さく表示が出ている建物が有る。しかも閉店と書いてあるような気がする。でも中から声が聞こえるし期待ゼロで扉を押すと開いていました。
 女主人と馴染みのお客さんらしき男性2人がこちらを見ました。彼女は勿論、「空いてませんよ!」と言いました。でも直ぐに、「どうなさいました?」と続けました。酷い英語で、「次の~、電車まで~、2時間~、あって~、ビール~、飲みたくて~・・・」と言うと、「なーんだ!荷物をお持ちだから泊まる所を探してるのかと思った!ビールならどうぞどうぞ!」と入れて下さいました。旧ユーゴスラヴィアの国々ではいろんなところで親切な方にお目にかかりますが、ここでも感謝です。
 奥の部屋から出て来たご主人が持って来てくれたビールはスロヴェニアのラシュコ。
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 暑かったから美味い~(涙)。

 ご主人は通り過ぎる度に灰皿が要るか訊いてくれたり飴を置いていってくれたりしました。
 黒い猫ちゃんが出て来て撫でながら飲みました。
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 会話の内容は忘れましたが、出がけに奥様と話す時に、「ドイツ語が話せますか?」と訊くとまたまた当たりでした。それどころか、ご主人も、「なんだ~僕もドイツ語の方が得意なのに~!」と仰いました。
 いつかまたオルモジュに来る時は是非寄りたいです。
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 ここです。

 そろそろ出発時刻ですが、駅には中型タクシーの様な車しか停まっていません。
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 横で煙草を吸っている運転手さんらしき人に訊くとこれがそのバスだということで驚き!こっこれで国境を超えるのか・・・。大体これ何人乗れるの!?
 さて、いよいよ出発です。運転手さんと、国境審査が有るので警察の方が同乗します。後の乗客は私を入れて3人、余裕でした・・・。
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 こんな感じ。

 国境では運転手さんが乗客全員の旅券を高速道路の料金所のように審査官に窓から手渡し、スタンプを押してもらってそれぞれに返し、極スンナリと入国しました。ドラマティックではありませんがなかなか出来る経験でもありません。

 到着したチャコヴェツは昨年演奏した作曲家ヨジプ・スラヴェンスキの出生地で、彼の名を冠した音楽学校も駅から徒歩10分の所に有るらしいです。電車が出るのは25分後・・・自分の方向感覚を考慮して諦めました。今日はいろいろ諦める日のようです。電車の本数が少ないのでこれを逃すと夜10時ころのヴァラジュディン到着になるのです。
 因みに現役で活躍する体操のウーデ選手の出身地でもあるそうです。
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 チャコヴェツ駅。

 というわけで無事に本日の目的地ヴァラジュディンに到着致しました。
 ヴァラジュディンについては次回書くことに致しましょう。