笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

2017年、家庭的聖夜。

 我が住処では数年来私の前に住んでいたお坊さん(フルート・中国)と尼さん(リコーダー・台湾)と共にハウスコンサートをして(聴き手:大家さんご夫妻)、その後大家さんにご馳走になるのが年中行事になっています(また二ヶ月もおせェんだよ!)。
 25年前の日本国際音楽コンクールに我が校の伴奏ピアニストのマイケル・ジャクソン(ロシア)が出場した時のプログラムをみんなに見せようクックックと思って日本からわざわざ持って来ていました。お坊さんは副科ピアノをマイケル・ジャクソンに教わったので面白がるでしょう。
 お坊さんはあまり表情豊かなタイプではないので確かでは有りませんが喜んだ様子で、他に知っている人はいないかとページを繰り始めました。横で私が、「この時の1位は中国のピアニストでとても素晴らしかったよ!名前は○ュー・○ォン。」と口を挟みますとプログラムを見ていたお坊さんはピキーンと固まった顔を上げました。「○ュー・○ォン!?僕のオーケストラの常任指揮者だよ!」
…なんと!
 お坊さんは今は髪の殆ど無くなった○ュー氏の25年前のフサフサ写真を携帯電話のカメラに収めました。

 演奏会は今年も楽しく、昨年末に譲り受けたスピネットも活躍しました。未だはっきりとは分かりませんがお坊さんにとってはこれが最後のハウスコンサートになりそうです。大家さんご夫妻も名残惜しかったに違いありません。