笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

2018年1月16日。

 或る日大家さんが、「月曜日に暖房修理の人が来るよ。残念ながら朝の8時に。」とまなこをキラキラさせながら言った。ウェ~朝の8時!?でも30分もすれば終わるよねーそしたら3時の整形ちゃんの合わせまでまだまだ時間有るからもう一回寝よ~っとと思っていた。

 現実は厳しかった…。

 我が寝室の大部分をお坊さんと尼さんから譲り受けたダブルベッドが占めていた。毎晩どちら側で寝るか悩ましかったが勿論私には半分で十分だった。
 そのベッドの脇にダンボールをずっとずーっと置いていたのが良くなかった…修理の為にベッドをずらしたら窓の下が一面の黴!視察係の大家さんも仰天!奴ら(修理のお二人だが態度があまりよろしくなかった為大家さんが改名)が朝メシに行っている間(順序を逆にしてくれたら1時間多く寝られたのに)黴の除去に励む。
 大家さんが、「ベッドをシングルと取り替えたら?」とまなこをキラキラさせずに言ったので願ったり叶ったりですーと賛成した。

 まさか今直ぐに実行に移すとは思わなかった…。

 ダブルベッドを起こして20個以上のボルトを機械で1つずつ外して完全に解体し部品を全て地下室に運んだ。所用約40分。
 今日はマットレスの上で寝て近い内にベッド買お~っとか思っていたら大家さんが奴らからメジャーを借りてマットレスの寸法を測り即ベッド屋さんに注文。大家さんの運転で彼の馴染みのベッド屋さんに受け取りに行った。もう昼過ぎ。昼寝は絶望的だ。それどころか整形ちゃん合わせには間に合うのか!?
 ベッドの組み立てキットが入りきらなかったので車の屋根に紐で巻き付けてノロノロ運転で家へ。途中遅さにムカついたと思われるオヤジが追い抜きざまに大家さんを睨みつけていく。世の中には情け無い人がいるものだ…。
 大家さんの監督の下新しきシングルベッドをまたボルトをいっぱい機械で締めながら組み立てる。シングルだけあって解体時よりも短時間で完成し大家さんを驚かせた。マットレスをはめ込んだら寸法ピッタリ!安堵した大家さんは巨体を出来上がったばかりのベッドの上に載せた。出来て直ぐ壊れなかったということはちゃ~んと作れたということに違いない。
 広々とした部屋をベッドの上から眺め回し満足して整形合わせに直行。8時半頃から昼過ぎまで寝るつもりが結局ひとっつも眠れなかったばかりか黴取り窓拭き解体組み立ての作業でぐったり(でも満足)して整形ちゃんに武勇伝を語る。私は学生相手に何をしているんだろうか…。