笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

オシイェク2018

スラヴォニア地方の中心都市オシイェクは私にとって4年前に国境を歩いて越えた時のクロアチアで初めての街(その前に国境の街ドニ・ミホリャッツに3時間半滞在したがクーナを下ろしてビールを飲んでバスを待っただけなので数えない)。今回で4度目の訪問だが今年もあの時閉店間際に滑り込んだ愛しのレストラン「スラヴォンスカ・クチャ」にてさあクーナを下ろしましょうさんと待ち合わせて名物の魚のグラーシュを食いまくりながらお互いの旅の報告をする予定。私は前日の国境いきなり飛び入りパーティーの話をしたくてウズウズしていました。

ヴィロヴィティツァの駅前の飲み屋でこの街初のオシイェチュコを発見!しかもオリジナルグラス。

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電車は定時にオシイェクに到着。ドイツ鉄道は見習うべきだッ!愛しのペンションにチェックインしてから待ち合わせまで時間が有るので街をフラフラしていたら物凄い雷雨になり軒下から一歩も出られなくなった…。その頃さあクーナを下ろしましょうさんがバスで到着したもののやはりバスターミナルから動けず。待ち合わせを遅らせました。
レストランに着いて扉を開けると目の前に有ったのはさあクーナを下ろしましょうさんの後姿。今年もめでたく合流出来ました。魚のグラーシュは今年も最高!

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前菜にダルマチア産ハムを頼んだら隣のテーブルのお店の方かお客さんかわからない男性が、ハムと一緒に食べると更に美味いよ~凄~く辛~いから注意してね~とペパロニを下さいました。仰せの通り辛かったッ!でも美味かったッ!

今回のオシイェクでの大目標は愛しのオシイェクビール『オシイェチュコ」の謎に迫る事です。4年前ビールビールと呪文を唱えながら炎天下をガラガラーガラガラーとスーツケースを引きずって辿り着いたドニ・ミホリャッツで飲んだこのビールがとても気に入って以来何処かで生で飲めないものか探しているのですが一向にお目にかかれません。クロアチアの方に訊いても、オシイェクの方に訊いても、「多分無いと思う。」と答えられて悲嘆に暮れます。そこで今回はビール工場に乗り込んでさあクーナを下ろしましょうさんがクロアチア語売店の声のでかいおにーさんに、「何処に行ったらオシイェチュコを生で飲めるの~(涙)?」と凄むのです。私はクロアチア語はお会計お願いしますしか言えないので後ろで見ているだけです。

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オシイェチュコ工場の売店は決して一般客向けではなく、卸売市場の小さなカウンターといった感じです。何故ここにアジアの観光客が来るのかおにーさんも不思議に思ったことでしょう。後ろの棚にはピルスは勿論のこと、評価が高いものの生産量が少ないのかスーパーでも中々お目にかかれない黒オシイェチュコなどがズラ~ッと並んでいて正に喉が鳴ります。生は何処で飲めるかとのさあクーナを下ろしましょうさんの問いにおにーさんは少々苦笑いに近い表情で殆ど無いんだけどね~駅の近くのルンダという店で飲めると思うよ!とのこと。生オシイェチュコ実現か!?せっつくように場所を訊くと駅とバスターミナルと店の位置関係を身体を張って教えて下さいました。
イェーファーではキーホルダーやら帽子やら買い込んだ経験からTシャツとかオシイェチュコグッズは無いの~と訊くと無いよ~だそうです(涙)。一昨年さあクーナを下ろしましょうさんが写真に収めたドニ・ミホリャッツの飲み屋のおっちゃんの『OSIJECKO』が胸に眩しいポロシャツは我々の手には入らないらしい(涙)。でもおにーさんはボールペンとメモ帳位しか無いよと言って両方ともくれました。クロアチアの人達は本当にサービスが良いです。
ソレッとばかりにルンダへ急ぎます。店はおにーさんの言った通りの場所に有りました。さあクーナを下ろしましょうさんがお店のにーちゃん(ソウルミュージシャン風)に大生2つを頼むと間もなくにーちゃんはトレイをユラユラゆっくりとスウィングさせながら持って来てくれました。

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…こっこれが夢にまで見た(実際には見てないけど)生オシイェチュコか。
さあクーナを下ろしましょうさんとは今までに何千回ジョッキを合わせたか分かりませんがこれが最も神妙な乾杯だったに違いありません。味は期待通りの美味さ!この店から生オシイェチュコが永遠に消えないことを願い来年も来るぞ!と心に誓いました。

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オシイェクビールトラム。

さあクーナを下ろしましょうさんは一足先にオシイェクを後にし念願のイストラ半島へ向かった為今日は1人で愛しのレストランへ。初めてビーフシチューを頂きました(勿論美味)。

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奥の部屋を楽団付きで借り切っていた若者達がゾロゾロと表に出て行きます。若者の1人が私に話しかけてきました。「今日はは僕の独身サヨナラ会なんだ!一緒に飲もうよ(しかもまたドイツ語)!」
…私の顔には飲みに誘って下さいとドイツ語で書いてあるんだろうか。
勿論一緒に表でライヴ演奏を聴きながら飲みましたよ。終いにはレストランの無愛想に見えて実は親切なおじさんからもワインをご馳走になりました。

翌日ノヴァ・グラディシュカ行きのバスまで時間が有ったのでもう一杯(実際には2杯になった)オシイェチュコを飲むことにしたが、1人で昨日のルンダに行くのは後ろめたい気がしてバスターミナル近くのスポーツバーに行ったらマスターがどうも見覚えのある人。
…もしや4年前店の前に突っ立って窮屈な服と格闘していた人ではなかろうか。
入って見たら店もマスターも感じが良くて、『ああ、4年前に閉店したハンブルク音大近くの「マッチポイント」跡地にこの店が有ったら!』と思いました(涙)。
因みにこのお店の名前は「ハットトリック」です(笑)。

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メニューがだらけている。

続いて滞在したノヴァ・グラディシュカはスラヴォニア地方のほぼ西端に位置しますがオシイェチュコはここにも有りました。オシイェチュコ分布図作成は来年も続きます。