笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

フルート祭り(ジャイアンリサイタル)

もう3週間も経ったがジァイアソ先生(フルート・ドイツ)の頼みを珍しく受けた『フルートの日々』がハンブルク音大で開催されました。
20世紀初頭に活躍した伝説的フルーティストであるフランスのゴーベールの時代の名器ルイロット・フルートを主題とした小音楽祭で諸外国からルイロット吹きが集まった。ジャイアソにしては良い着眼点ぢゃ~んと思ったら発案はどうやら腹話術師(フルート・ブラジル)であったらしい。
結果的にやって良かったッ!
「2・3曲珍しいのも有るけど後は殆どスタンダードな曲ばっかしだぜ!」とジャイ(既に略)は言っていたが蓋を開けてみたら半分以上弾いたことのない曲。どうせそんなことだろうと思っていたしいろんなフルーティストと演奏出来るから別に良いけど…。ついでにジャイはオーガナイズを愛弟子の姐御に随分押し付けたらしく、音楽祭が始まって最初のワークショップの前に彼女は既に、
「ストレスッッ!!」
と叫んでいて、終わる頃には死ぬのではなかろうかと心配になった。
フランスの3人のフルーティストが其々違った個性で楽しかった。10年前に客員で指導に来られたR先生も変わらぬエネルギーだった。アメリカの爺ちゃんの音楽は流れるようだったし、太ったおっちゃんは緩急に富んでいたし、スイスの紳士は丁寧で綺麗だった。我が校のサンタ先生も伝説の楽器に相応しく優しく艶やかだった。
全てを終えて思ったのは豊かな音楽の持ち主は思いやりが有るということ。殆ど全員が、「あなた大変でしたね、2日間朝から晩まで1人で全部弾いて…。」と労いの言葉を…。楽しかったから全然大変ぢゃあありませんでした~と答えたがこれもまた1つのオーガナイズの問題であったろう。