笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

ドイツ音楽コンクールでフライブルクへ

 8月6日、11ヶ月ぶりに電車に乗ってフライブルクへ。オーボエのFが動画審査を通過したのでドイツ音楽コンクールの伴奏にくっついて行きます。動画は5人分弾きましたがFだけが通りました。

 早めに座席を予約しておいた私達の車両は快適でしたが食堂車にパンを買いに行ってくれたFはデッキに溢れた乗客の間をすり抜けながらうんざりして帰って来ました。ソーシャルディスタンスを守りましょうなんてとても無理です。
 何年前か覚えていないほど昔に泊まったホテルは記憶通り快適でした。丘の上に有るので市街地に行くには毎回遠足気分。それに開催地の音楽大学が厳重なコロナ対策を敷いているので迅速テストも1日おきに受けます。天気の悪いハンブルクから脱出して来たのに2日目は1日中雨でした。
 10分間だけ会場練習が出来るので音楽大学へ。何とそれ以外の練習はここでは出来ません。ピアノ部門の参加者も!参加者達はコンディションの調整に頭を悩ませたことでしょう。
 入構するにも警戒は厳重です。この日の為にダウンロードしたlucaアプリを使って参加登録をしたら名物のお菓子をくれました。
 それと手首に巻くバンド。不用意に締めたら外せません!コンクールが終わるまで寝ても起きても付けッ放せということらしいです。冗談ぢゃない!ホテルに帰って執念で外しました。


 翌日は南ドイツらしく天気も良くなり、気持ち良く会場入りしました。実行委員がスケジュールを完璧に組んでも審査員が1人でも遅刻すればそれは初めッから狂います。この日も先ず10分押しで始まりました。Fは3番目の出演なのに既に15分押し。しかもいざ演奏!と思ったら審査員が全員トイレを目指して走って行きました。でも面白かったのは彼等がみんなFの前を駆け抜けて行く時に、「ゴメンね〜!直ぐ戻って来るから〜!」と叫んでいったことです。これがピアノや声楽部門ならこうはいかないでしょう。
 彼女は力をほぼ出し切りましたが残念ながらセミファイナルには進めませんでした。4人しか通れないし、コンクールの常ですが内2人が審査員の生徒だったそうなので仕方のない所です。


 折角なのであと1日フライブルクを楽しんでから帰ることにします。私は旧市街を2周して市場を物色したし、Fは丘の上の城を目指しました。
 翌日フライブルクを後にします。Fは1週間後に卒業演奏会を控えていますがその前に彼氏のお姉さんの結婚式でコペンハーゲンへ。「忙しい1週間になりそう…。」と呟いて北上しました。私はほんの1時間だけ電車に乗ってカールスルーエでプリケツM一家と再会して、もう1日だけカッセルに寄り道してから帰りました。カッセルでは20年前に頂上で城の裏側が粗雑に補強されているのを見てがっかりしたヘラクレスの丘の途中で挫折して歳を感じました。そして20年前遠足の子供達と鉢合わせしてうるさくてゆっくり観られなかった偽中世城は工事中でした(怒)。


 なんと言ってもほぼ1年ぶりの旅行、1年ぶりの電車・ホテル…。客観的に見れば理想的ではなかったのでしょうが楽しい1週間でした。Fは卒業演奏会で今回セミファイナルで演奏予定だった曲を吹くので楽しみです。