決まっていたのはもう1年以上前。グライフスヴァルトというドイツの北東の端っこでドアウーマン(チェロ・ドイツ)とブラームスのソナタを弾いて来た。この曲からインスピレーションを得た彼女の友人の心理学者兼画家・写真家のMさん(ドイツ)とのコラボである。Mさんは今回は画家として抽象画を演奏と同時進行でスライドショーで投影する。
誰も知りたくないかも知れないけどなぜドアウーマンかというと彼女のご主人がハンブルク音楽大学のフルートの教授で、入試の時に後の2人の先生が(トイレ以外)椅子から1度も立ち上がろうとしない中ドアの開け閉めと受験生の呼び出しを一手に引き受けていたのであか姐さん(日本)が彼を先生ではなく『ドア係のお兄さん』だと思ったのがきっかけで、その後あか姐さんの後輩のYさんによって『ドア兄さん』に短縮され更に数年後京都から来られたMさんによって『ドアマン』にまで縮められました(その頃にはもう兄さんという年ではなかったからかも知れませんが)。要するにその奥さんだからドアウーマンなだけで彼女自身はドアとは全く関係がないのであります。
ピアノのくろだめさんが、
「グライフスヴァルト!小さくて可愛い街ですよ!」
と言っていたので期待大。1年前から演奏は勿論訪問を楽しみにしていました。
ドアマン夫妻の車で現地へ。
市庁舎
市広場
夜の大聖堂
会場の文化センターでは良くはない音響の中をフレンドリーなスタッフとフレンドリーな私達とで試行錯誤しながらピアノやマイクの位置や照明の打ち合わせをして、お客さんは多くはなかったけど小さい街だし宣伝地味だし!演奏はドアマン先生に褒めてもらったッ!
この企画は2年前に2度既に開催されていたので今回は勝手を知っていたが元はと言えばドアウーマンとMさんのメールのやり取りから着想されたもので、演奏に先立って2人がメールを朗読しそれに演奏とスライドショーが続く構成になっている。今回は更に観客との討論会が有ったのだが私は朗読されたメールの内容も良く分かっていないし討論のテーマも何だか分からなかったから早く終われ〜と思っていたらどこにも必ず1人はいるもんですね、横柄な態度で難癖をつける人が。あーだこーだ長〜長長〜長と演説をした挙句質問の意味が良く分からなかったから私の早く終われ感は増しそうなると実際よりもっと長く感じられた…。でもMさんもドアウーマンも真摯に応対していて尊敬!(やっと)終わってからMさんにあのにーちゃん何を質問したのか全然分からなかったと言ったら、
「僕も良く分からなかった。」
だそうで…。彼が分からなかったのなら私に分かるはずないと納得したのでありました。
翌日、グライフスヴァルトの大聖堂のステンドグラスが素晴らしい!と昨日隙を見て散歩したMさんが言っていたので出発前にみんなで大聖堂へ。
確かに素晴らしい…綺麗なグラデーション
オルガン
みんなで塔に登りました
高所恐怖症のドアウーマンは階段の出口から頭だけ出して僅かに見える景色を楽しんだようです。
また同様の企画をしたいねー今度はバッハのチェロ組曲がいいなーという話題になって来たのでだったら私の出番が無ーい!と言うとドアウーマンが、
「ゴールドベルク変奏曲を弾いてよ!」
といきなり提案。う〜ん確かに弾きたいし勉強したことはあるし…でもあれ繰り返しなしでも40分近くかかりますよ?実現したら嬉しいけどね。まぁあまり期待はせずに時々は練習再開してみようかな。