笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

ドアマンクラスとジャイアンクラス

 5月17日、ドアマン先生(フルート・スウェーデン)クラス学内演奏会。Mの卒業演奏会直後なので彼女は出演せず総勢3名。なのでみんないつもより長く吹ける!と喜んだかどうか。ドアマン先生はメンデルスゾーン・ホールよりもやや小さいファニー・ヘンゼル・ホールが好きらしく学内演奏会は良くこのホールを選ぶ。床が改修されて軋まなくなり、苦心して雑音の少ない立ち位置を探さなくてもなくて良くなったが出演者3人揃って比較的クールなのでゲネプロも本番もつつがなく終了した。
 出演者が少ないと打ち上げ場所を探すのが楽!今回は開店時間が短くて厨房が閉まるのが早いイギリスバーへ。そしてドアマン先生店内に飾ってあったプラチナレコードに即座に反応。どうやら80年代のブリティッシュ・ロックと共に青春時代を送ったようで、早速店員の老婦人にプラチナレコードの歴史を訊くとなんと彼女がドアマン先生も聴いていたヴォーカルグループの歌手だったことが判りドアマン先生は大歓喜して思わず暫し隣のテーブルに移ってロック談義をしました(笑)。いつもは2杯も飲んだら家を目指す彼ですがこの日は上機嫌で次から次へとビールをお代わりし結局私と同じだけ飲んで帰りました。


 その1週間後の24日、ジャイアン先生クラス学内演奏会。こちらは軋まない床に学生一同大喜び。
 曲目が問題でライネッケのソナタ、フランクのソナタプロコフィエフソナタマルティヌーソナタドビュッシーのフルート・ヴィオラとハープの為のソナタ、ジョリヴェのリノスの歌。学生1人1人合わせをしてもみんな口を揃えて、
「ヘンなプログラム!ソナタばっかりいっぱいでしかも時代も殆ど同じ。どの曲をとっても1番初めには合わないわ。お客さんも可哀想!」
1曲ずつだと弾いていて楽しい曲ばかりなのだが全くの同感。情熱・熱烈なジョリヴェは最後しか考えられないが後はどんな曲順になることやら。
 結局マルティヌープロコフィエフ→ライネッケ→ドビュッシー→フランク→ジョリヴェという順に。ゲネプロの終わりにジャイアンが、
「マジクールなプログラムだぜ!」
と曰い一同耳を疑った…。
 姐御がいた頃よりもクラスの雰囲気はずっと良くなりそれぞれ良い演奏を聴かせた。5人中3人が今学期に卒業演奏会を控えているので仕上がりも良かった。ただ1時期に集中してオーディションの招待状を貰ってしまい時間と戦いながら卒業演奏会の準備に追われるJのコンディションが心配。
 相変わらず打ち上げ場所には事欠きオーボエクラスは2度と行かないと決めた近くの安くて不味くて態度の悪いイタリアレストランに行ったら案の定台所は閉まっていた。ビールを頼んだらサーバーが壊れていて瓶ビールしか有りませんと言う。
「オレ様の酒が飲めないって言うのかよ!」
ジャイアンに引き留められたが、元々好きぢゃないレストランで瓶ビールの為に座る気はナイヨ!とのび太よりは意志が固いところを示して家に帰りました。