笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

夢の中でも頭痛

 5月30日、フルートのS(トルコ)卒業演奏会。声楽の歯だった先生が、「彼女は美人ね!」と言った人である。

 師匠のジャイアンが崇拝しているフルートの巨匠ゴールウェイを彼女も尊敬していて、私も1度彼のオンラインレッスンに参加した。ゴールウェイ氏はレッスンの終わりにピアニストへの感謝の言葉を下さった(流石本物の巨匠)。
 今回の卒業演奏会ではジョリヴェの名曲『リノスの歌』となんと師匠ジャイアンの『ボエーム幻想曲』を演奏する。


 そういえばジャイアンってボエ〜って歌いますよね。ピッタリですね。


 賢く楽しくフレンドリーな人だが演奏会も後2週間と迫った頃合わせの練習の為に夕方彼女の予約していた練習室に行くと大分ゲンナリしていた。
「私凄く疲れているの…今日の練習は軽く通して終わりにさせて…。」
直ぐに理由を説明してくれた。
「今朝9時から模擬オーディション(私が伴奏断ったやつ)だったんだけどF先生(ジャイアンの本名)ずっとずーっと喋り続けて…ひとっつも休みナシに喋り続けて…6時間よ?6時間!私頭が痛くて…。その後少し寝たんだけど夢の中でも頭が痛くて…。」


 …気の毒だが笑ってしまいました。


 演奏会では素晴らしい出来でジョリヴェの後では舞台裏でハイタッチしました。学生本人が納得して終わるのが1番です。