笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

F先生のイヤな顔の謎

 2月18日、ドアマン先生クラスのJ(フルート・台湾)卒業演奏会。ドイツで続けて勉強する事を希望しており、各都市の入学試験を受験する合間を縫って準備した。演奏会の数日前に、「もう入試イヤ…。」と言ったのが気の毒だった。
 室内楽曲を多く取り入れた楽しいプログラムだったが1ヶ月前になってドアマン先生が時間が足りないからフェルトのソナタもやれって。ただでさえ独奏曲は難曲揃いなのによりによってあんな大曲を…。
 入試ストレスと大曲ストレスにも関わらず良く吹いたッ!2曲目のベームが終わった後舞台裏で、「狂ったプログラムだわ!ベームで十分難しいのに後でもっと難しいチュビンも吹かなきゃいけないの!」と言い残して3曲目のベリオを吹きに行った。
 ベリオが終わって彼女が言うには、「F先生がイヤな顔で見てたッ!」とのこと。すると袖で控えていたクラリネットのIがすかさず、「F先生はもともとイヤな顔なんだから気にすんな!」と慰めた。お見事。
 大曲フェルトは少し速過ぎたがギターやクラリネットとの曲も楽しく演奏して教授陣も揃って高い評価をした。要はF先生はもともとイヤな顔だっただけなのだ。私の他は殆ど台湾人だけの打ち上げにも押しかけ(今ウチの学校には台湾からの留学生の方が日本人よりも多いのです!)伊藤さんは沢山飲まなきゃダメですとビヤ樽の直ぐ隣に座らされました…。