笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

若い演奏家の話。誰の話?

 毎月第1火曜日に郊外の老人ホーム『薔薇園』で開催される、『若い音楽家による演奏会』(ととも気まずい)。良くオーガナイズしているオーボエのS(多分まだ20台前半。ドイツ)と出演者を相談していたら私も企画者の1人と思われていた(これまた気まずい)。 10月6日の出演者はオーボエのJ。日独のハーフで本人曰く、「上半身日本人。下半身ドイツ人。」という(ぶん殴ってやろうか)我が良きビール友達です。実は彼は数ヶ月前から或るスーパーマーケットの店長として働き始め、今日が久々の演奏会で少々緊張気味。でもプログラムはポンキェッリの奇想曲・エマヌエルバッハの無伴奏ソナタと、イングリッシュホルンシベリウストゥオネラの白鳥とパスクリのベッリーニ讃歌というなかなかハードなもの。
 先月は中庭で風と戦いながらの演奏会でしたが今日は会場をカフェテリアに戻しました。Jは相変わらずの綺麗な音で難曲をばっちり吹きました。私もシベリウスを1曲独りで弾いたのですが全然ダメでした…。
 やはりハードなプログラムの後は直ぐにでもビールが飲みたくなって最寄駅(市内交通の終端駅)の側の日本風(ここ大事)レストランで、寿司や餃子の味にツッコミを入れながら北ドイツビールを次々と飲みました。店員さんとも喋ったのですが出身国を忘れてしまいました。
 この頃からドイツ国内でのコロナウィルス感染者数が再び増え始め、月末には薔薇園のお茶会のBGMとしてサロン風のピアノ曲をいっぱい用意していたのですが、遂に入居者に感染者が出てしまって直前に中止になりました。今は皆さんの健康を祈りつつ、自分も出来るだけ健康でいたいと願うばかりです。