笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

薔薇園にて。

 8月4日、オーボエのSとひさ〜びさに薔薇園(老人ホームの名前)で演奏会!いつも演奏している図書室よりも通気性の良いカフェテリアで演奏します。 こちらでは自分達の演奏したい作品を出来るのが有難く、超現代曲を2曲演奏した時にも、「でもまあ、良かったわね。」とお褒めの言葉を頂きました(!?)。今回Sはオーボエ奏者にも馴染みの薄い20世紀のチェコの作曲家スラヴィツキの、内容の濃い組曲を演奏。私も今年没後150周年の同じくチェコ出身の作曲家モシェレスの、誰も知らない夜想曲を弾いた。
 念には念を入れてSの前には透明なプラスチック板が立てられ、トークにはマイクを使ったので叫ばずに済んだ。
 しかし!
 演奏していたらSは音無くやって来た救急車がプラスチック板に映ったのを目撃。これは誰かが亡くなった知らせだそうで、私は全く気が付かなかったが、前列のお客様が、「まあ、今度は誰かしら?」と言ったのまで聞こえたそうだ…。


 そして9月1日、フルートのHと再び弾いて来た。
 カフェテリアも安全不十分らしく図書館の外の庭で演奏することに。雨が降って中止になってもギャラはお支払いします!との有難きお言葉だがHは、「やっと人前で演奏出来るのね…。」と言っていたし、どうか好天に恵まれますように!
 願い通じて青い空!外気温も丁度良い涼しさでこれ以上ない条件!
 風が無ければね…。
彼女はクリップで留めても尚めくれて来る楽譜を肘や楽器の端で押さえながら、私は片手で両手分弾いた(簡単な場所に限る)り楽譜の端をフーフー吹いたり指に停まった蜂を吹き飛ばしたりしながらなんとか最後まで辿り着いた…。今日ほど終わってホッとした演奏会も少ない。
 お客様はいつもより少なめだったが、いつもより多くの方が終演後声を(或る方は日本語で!)かけて下さった。


 今回Hが演奏したノルウェーの作曲家スヴェンセンのロマンス。原曲はヴァイオリン曲だが凄くキレイ!また知られざる名曲に知り合えた。


 来月はオーボエのJと共に演奏予定。一体何処で開催されるんだろうか…。