笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

久々のシュトゥットガルト 其の1

 或る日、ジャイアンの下で卒業しシュトゥットガルトのF先生(仮名)のクラスに移ったDからメッセージ。卒業演奏会でシュトラウスソナタを吹くんだけどピアニストにみんな断られたッ!シュトゥットガルトに弾きに来て欲しい、という内容。

 しょうがねぇな〜と半ば優越感に浸りながら引き受ける。もしかしてシュトゥットガルトに引っ越したばかりの新婚あか姉夫妻にも会えるかも!という下心付き。
 Dはハンブルク出身なので時々合わせをするのも便利。2度程ハンブルクで合わせをして演奏会の10日前にシュトゥットガルトのレッスンに同行した。


 実はこのF先生、以前ハンブルクの腹話術人形音楽院で(何故かジャイアンと合同で)講習会をした時に伴奏したのだが、あまりの王様ぶりにブチ切れ今後のお付き合い堅く御辞退申し上げた過去が有る。毎日45分以上遅れて来てゴメンも言わずテラスでコーヒーを飲み始めるとか冗談ぢゃない。でもその翌年腹話術人形がF先生にその旨伝えたところ彼は大変なショックを受けたとか。
 限られたレッスンの機会なのでパリからやって来たオーボエのFとの3重奏も聴いてもらうため朝9時から3時間レッスン時間を取ってもらってある。ど〜〜〜せ大幅に遅刻するに決まってるッ!と思ってたら僅か10分だった。しかも事前に遅れますメッセージまで送って!!!子供が産まれて随分マシになったという噂は誠であった…。
 しかし3時間超えともなるとする方も受ける方も段々集中力が切れてくる。あそこが悪いここが悪い音程良くない楽器壊れてんぢゃ〜んと試験10日前に言うべき?と思ってたらレッスンが終わってDが小パニックで泣き出した。F先生は狼狽えてどうしたの〜僕が色々言い過ぎた〜大丈夫〜君は出来るよ〜気にしないで〜と慰め始める。


 …やれやれ。


 シュトゥットガルトには以前毎年のように晩秋に体操のワールドカップを観に来ていた他に1度初夏に我が校の作曲の干柿教授の超難曲を弾きに来たことがある。あの時は会場内のエアコンで楽譜が倒れて来そうになり(大きくて薄いコピー譜だった)口で楽譜をフーフー吹きながら弾いたのを覚えている。どうやら同じホールらしいから少なくともエアコンは有るだろう。
 兎に角ハンブルクよりずっとずーっと暑くて合わせもレッスンもホワ〜ンとなったので、あか姉夫妻に連れて行ってもらったビアガーデンでガバガバビールを飲みました。
 後、中央駅が大工事中で、タダでさえ方向音痴なのに不案内に加えて抜け道が無く、毎回学校に到着する前に汗ダラダラでした…。


 一旦ここで締めます。