笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

ハイ其の2

 6月11日、クラリネットのハイ(中国)卒業演奏会。学部の卒業演奏会でウェーバーを共演してはや2年。修士課程を終える。春に樽ビールを送ってくれたりして随分仲良くなったが、もしソリストコースに受からなかったら中国へ帰ると言う。さて、どうなるか。
 彼の師匠R先生のレッスンはなかなか厳しく、
「毎週レッスンの後僕は自分が世界一のヘタクソなんじゃないかって気がします…。」
と言っていたが、それは彼が先生の言う事を理解しているからでして…他の2人は何を言われているか分かっていないのであっけらかんとしているだけでして…R先生お気の毒…。
 演奏会はシュタミッツの変ロ長調の協奏曲で始まった。学部の入試で吹いたそうで、彼にとってハンブルクでの生活の原点とも言える曲だとか。特に複雑な曲ではないのだがそう言われるとちゃんと弾かなきゃと妙に緊張したりして…。
 続いてブラームスの最高傑作のソナタ第2番。こちらはハイ君の想い出に関わらず名曲中の名曲だからちゃんと弾きたくて緊張しちゃったりして…どの楽章にも1箇所ずつ弾き辛〜い所が有るんですよね…。
 私の出番はこれで終わって最後は学生仲間との共演でハチャトゥリアンの3重奏曲。丁寧に仕上げられた良い演奏だった。
 終演後はやっと店内での飲食が解禁になった近所の中華料理店でビールを飲みまくる。あぁやっと演奏会のあるべき姿が戻って来た…。