笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

E、遂に卒業。

 9月8日オーボエのE(ドイツ)の卒業演奏会。

 このE、実は2年で終わる修士課程に7年在籍している。4年前に卒業演奏会をするはずだったが試験の1週間前にお父さんが急死。試験を取りやめてその後音楽からも遠ざかっていると聞いていた。
 なのでこの春に彼女から卒業演奏会で共演してくれと頼まれた時には驚いた。大学は中退したものと思い込んでいたから。曲目をきいたら4年前に予定していたものと殆ど同じ。実はあれ以来あまり楽器を吹いていないのでは…。そして2曲有るフルートとの3重奏曲の共演者は私の苦手な姐御(ドイツ)。これも4年前と同じ。
 ところが演奏は4年前よりもずっと良くなっていた。数週間前のレッスンでは音階もろくに吹けなかったと落武者先生が言っていたがその後演奏会に向けて努力したに違いない。姐御は相変わらずデリカシーのない態度が散見された(落武者先生がEに、「どうして第2主題で急に初心者みたいに吹くんだ?」と言った時にゲラゲラと笑うとか)が演奏は堅実なので我が試練の時間も無事にやり過ごした…。
 1ヶ月後の昨日非公開試験が終わった。ヴォーン・ウィリアムスの協奏曲の準備が思うように捗らなくて緊張気味だったが落ち着いて吹いて彼女は長い長い学生生活を終えた。