笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

クラーク初挑戦

 6月22日、ヴィオラのE(韓国)卒業演奏会。

 ウチの学校の伴奏グループはおじさん(アンタだっておじさんだろう!と言わないで下さい。17年前のあだ名が定着したのです。そろそろおじいさんと言う人も出て参りました)が仕切っていて彼考案のシムテムがずっとずーっと続いているがそれが問題で、クラスと学生数でピアニストをぜーんぶ単純に割り振りしているから学生は自動的に決められたピアニストといつも一緒に演奏することになる。勿論学生も先生も自分のピアニストに満足なら良いがそうは行かない。
 Eとはロボット先生が所属するオーケストラのオーディションの直前に先生直々のお達しで1度合わせをしたのだが数日後、
「来学期から貴方に一緒に弾いて欲しいのですが…。」
とメッセージをくれた。今まで同僚K先生やたこ焼き先生がシステムを変えるべく会議のテーマにまでしたのにおじさんが自分のシステムは完璧だ!とはねつけ続けていたので先ず無理だろうと思ったが、
「その為には我らが代表であるおじさんに申し出て下さい。」
と返信した。Eは今までおじさんと弾いていたからどうなることやら。
 ところが驚きのメッセージが!
「おじさんが良いと言いました。来学期からお願いします。」
…なんと!ぢゃあ他の学生も少しはピアニストを選ぶ可能性が出て来たのか?


 演奏会では名曲中の名曲ブラームスヴィオラ奏者にとっては定番中の定番だが私は初めてのクラークのソナタ。技術的にはややややこしく譜読みに時間がかかったが内容は明快で本番ではまともに弾けた。Eは中々の実力者で一緒に弾いて楽しい。
 ただ彼女は音楽で語ることは出来るけれどドイツ語力がかなり足りない。或るオーケストラなどはコミュニケーションを憂慮して彼女をオーディションに招待するのを辞めたし…。ドイツ語ももう少し頑張ってくれると私も更に楽しくなると思うのだが。