笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

スラヴォンスキ・ブロッドの長い日とサラエヴォへの険しい道のり

 サラエヴォ行きに比較的便利だと理由だけで1泊したスラヴォンスキ・ブロッド。愛しのオシイェクからバスで僅か1時間半程度だが国境の街なのでここからの方がボスニア・ヘルツェゴビナ方面へのバスがまだ多いという情報だった。

 今までザグレブ からオシイェクへバスで行く際に何度かバスステーションで休憩したことがあるが思い出すのは売店の親切な女性と汚いトイレ。とっところが今回新しいバスステーションが建っていたッ!4年はやはり長かった…。トイレは凄くキレイになっていたが売店の女性は多分あの時とは別人だがやはり親切だった。
 オシイェクでスラヴォンスキ・ブロッド発の切符は現地でないと買えないと言われたので先ずは明日の切符を…とある旅行サイトで見つけた情報から昼過ぎにボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァまで行ってそこで凡そ1時間半の待ち合わせで夕方にサラエヴォに着く心算だった。
 またまたとっところが切符売り場のおねーさんによるとそのバスはもう無くなってしまいました…とのこと。やっぱりサラエヴォには23時55分に着くしかないらしい
…。
 そうと分かっていればもう1日オシイェクに泊まるか1日早くサラエヴォに入るか違う街に寄り道するかすれば良かった…と言ってもしょうがなくスラヴォンスキ・ブロッドで長い長〜い待ち時間を潰すことになった。
 人口はクロアチアで6番目に多いそうだが観光名所などはあまり紹介されていない。サヴァ川の向こうはボスニア・ヘルツェゴビナで個人的名物徒歩越境も考えたがど〜せ明日越えるし行って帰って来るだけで4回のパスポートコントロール、更にバスで越境時にまた2回と思うとバカバカしくなって辞めた。

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ホテルではチョコレートのお出迎え!

 1日目は強い陽射しの下川沿いをノロノロ散歩。

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可愛い教会。

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対岸はボスニア・ヘルツェゴビナ

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誰かは知らないが横向きの胸像はめづらしい。

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広々とした中央通り。

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芸術的壁画。

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夜はホテルのレストランで。


 翌日。こういう時に限ってチェックアウトが他のホテルよりもちょっと早い。出来るだけ粘って荷物を預かってもらい再び散歩に。どうやら城跡が有るらしくしかもそれが我が故郷函館の五稜郭に少し似ている。

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面白いがちょっと邪魔…。

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愛しのオシイェクビールを今度は瓶で。


 まだまだ時間が有ったので思わず床屋さんに行っちゃった。前のお客さんが丁度良い髪型に仕上がっていたので彼の髪のように!とお願いした。英語が下手でも大丈夫!
 料金を訊いたら6€です!と言う。たった!?と言うと、何故たった!?と切り返された。私はドイツに住んでいて…と言うと即座に、
「ああ、ぢゃあどこも20€ですね!」
と納得された。


 それでもまだまだ時間が有ったので早めの夕食など。

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ブロッドビール。

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切株のような鯉のグリル。


 ドイツ語は残念ながら出来ませんと言っていたウェイターのおにーさんだが、
「enjoy your mealはMahlzeitで合っていますか?」
と言いながら鯉を持って来てくれた。

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雰囲気の良いレストラン。


 やっとバスに乗り込む。20分遅れて出発したからサラエヴォにはいつ着くことやらとハラハラする(でも越境時にはひさ〜びさにパスポートにスタンプを押してもらって内心ウキウキ)。いくらホテルまでバスターミナルから徒歩10分とはいえ街の治安も分からないし、ホテルのサイトにはフロント24時間オープンと書いてあるけど予約したサイトにはチェックインは0時までと有るし、到着が遅いこともバスが遅れていることも連絡したけど返事無いし…


 …何故か15分早く着いた。


 タクシーの運転手さん達が客を求めて寄って来たが乗車するほどの距離でもなし、直感では街の雰囲気は良さそう。それでもスーツケースを引きずりながらホテルへ急いだ。入口が分かり辛かったが日付が変わる前にチェックイン出来た。
 広い部屋に入ってどーっと安心してすぐさまミニバーのミネラルウォーターを飲んで少し落ち着いたら、ここが30年前の内戦時に各国の記者達が砲撃に怯えながら息を殺して戦況報告を発信したホテルだったということを思い出した。


 兎に角無事に到着。明日は1日中サラエヴォの街を歩き回ってやる。夕方には森のくまさん一家と合流予定。