笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

シュトゥットガルトのホテルにて

 シュトゥットガルトへあか姐夫妻と飲みに。

 カールスルーエの同級生Mは都合が悪かった(上手く行けばフライブルクでCとミニ同窓会をするつもりだった)ので速やかに乗り換え。でもプフォルツハイムに寄り道。街の名前に聞き覚えがあったので何か有るかもと思って行ってみたが何も無かった…。f:id:KomikerpianistNI:20230528185527j:image
密かにシャイだった少年達。撮影後発覚。
 今回も郊外の良〜いお店に連れて行ってもらいました。


 中央駅は相変わらず大改修工事中でホテルは目と鼻の先なのに大回りをしないといけません。駅前の割に値段が手頃で何度か利用しているのですがチェックインしようとするとフロントの愉快そうなおっちゃんが、
「貴方はドイツ語を少し話しますか?」
と訊く。大した上手でもないクセに生意気にちょっとカチッと来て、
「今ドイツ語を話したつもりですが?」
と言い返した。おっちゃんは続けた。
「と言うのもここに居る〇〇君は日本語を話すのです!」
とおっちゃんの隣でモジモジしている同僚の若者を嬉しそうに紹介した。日本からの宿泊客が多いので日本語を勉強しているのだとか。次回はもっと上手になっているでしょうから楽しみです。
 エレベーターの扉が閉まる瞬間同僚の女性がおっちゃんに、
クロアチアでは何て言うの?」
と訊いたようだった。


 …クロアチア


 後でおっちゃんに訊いてみよう。そしてさあ!クーナを下ろしましょう!さんに報告しなきゃ。どの街のご出身ですか?


「オシイェクです。」


!!!


 私が1番好きで何回も行った街!!!と言うと、
「でもそんなに綺麗じゃありませんよ?戦争ですっかり変わってしまって…だから見たくないんです。もう30年帰っていません。」
…30年経つのか。自分の街が戦争で壊されて変わってしまうなんて想像出来ない。しかも以前は1つの国だったのに内戦で。
 でっでも私は旧市街も食べ物も好きですよ〜ワインも美味しいし〜と暫しクロアチア談義。スラヴォニア地方には他にも幾つか行きましたよ〜ノヴァ・グラディシュカとか。


 …と言うと!


「僕の奥さんはノヴァ・グラディシュカの出身なんですよ。ボスニア・ヘルツェゴビナの直ぐ近くですね。」


!!


 ギターのLに続き何という偶然!と思いつつボスニア・ヘルツェゴビナにはバニャ・ルカとモドリチャ(芋虫教会の街)にしか行ったことありませんが。
 …と言うと!


「僕の父がモドリチャの出身なんですよ。」


!!!


 偶然もこうまで続くともしやこちらに合わせているのでは?と疑いたくなる程だがオシイェクは正真正銘彼の口から最初に出たし、きっと彼の方が何でこの人こんなにいっぱい小さな街を知ってるの!?と驚いたに違いない。
 旧ユーゴスラヴィア博士のさあ!クーナを下ろしましょう!さんもノヴァ・グラディシュカとモドリチャにはまだ行っていないと思うので、このホテルには私が泊まって然るべきであったのでしょうか。部屋に引っ込む時に私が知っている数少ないクロアチア語ラクノーチと挨拶しました。日本語を話すモジモジ君の存在をすっかり忘れてしまいました。