笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

録画いっぱい

 動画収録にいっぱい付き合った学期末であった…。

・アナ(ソプラノ・ブラジル)
育児休暇の1年間をハンブルクで有意義に過ごす。「年齢制限ギリギリで最後のチャンスなの!」とコンクール予備審査の為にアリアを3曲歌う。
・ハイ(クラリネット・中国)
ソリストコース最後の協奏曲の試験の為に録画。本来ならオーケストラの伴奏だがそれだと早くても来年以降になるそうで、「そんなに待てない!」とショボい練習室でピアノ伴奏で録画。オーケストラと共演する折角のチャンスなのに!間奏がメロメロで生きて行くのがイヤになった。
丸刈り娘(フルート・ドイツ)
或るアカデミーの入試の為にプロコフィエフソナタの第1楽章を録画。途中最高音5連発が全部決まることはまず無い。1回通したら問題の箇所は3回だけ当たったが他は上出来。「もう何回か撮って例の箇所が上手く行かなかったらその地点で辞めましょ。」と言って2回挑戦したがいずれも5連発とはいかず。「多分ムリだと思うわ。」と諦めて最初の動画を提出することにした。
・マリー(ソプラノ・フランス)
本校学部卒業後スイスにて大学院修了。「社会人1年生なの。」とハンブルクの室内歌劇場での公演に参加。折角だからとデモ動画を撮影したが私のモーツァルトがメロメロで生きて行くのがイヤになった。
・マティアスの彼女(メゾソプラノポーランド)
歌劇場に応募する為アリアと歌曲を数曲録画。ドイツ語を話さない人なのでマティアスにぜーんぶ通訳してもらったが彼が退出すると慌てて英会話に挑戦。やっぱり全然喋れず生きて行くのがイヤになった。でも演奏はばっちり。
・ホルンクラス
某有名オーケストラ・アカデミーの2次募集が発表されてみんな慌てて録画した。まるでホルンクラスの公式ピアニストになった気分。学生の国籍はメキシコ・ノルウェーハンガリー・イギリスと様々。
・J(ヴィオラ・韓国)
前回の学内演奏会を病欠した演奏も態度も良いJが講習会参加を希望して録画。ちょっと弾いては不満でまた初めからを何十回も繰り返すので生きて行くのがイヤになった。
・美しい若者(オーボエ・ドイツ)
こちらは対照的に3度通して吹いて終わり。彼の休憩中にスタジオで1人練習までさせてもらって助かったッ!