笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

リモート学内演奏会

 月曜には大雪が降って湖も殆ど凍っていたのに今日は春の陽気。


 1月24日、ほぼ1年ぶりの学内演奏会がありました。
 …と言ってもビデオの収録。希望した先生のクラスが1時間ずつホールを使えます。時間が限られているので失敗してもやり直しは出来ないと考えた方が良さそうです。
 …とは言うもののウィルス感染防止の規則が毎週のように変わるのでこの日の収録が決定したのが僅かに1週間前。フルートのドアマン先生(スウェーデン)が、「びっくり!来週録画ホントにするんだって!」と大慌てでメッセージを送って来ました。
 私が弾いたのはドアマン先生のクラスの5人と、同じくフルートのジャイアン先生(ドイツ)のクラスの1人。ジャイアン弟子のS(イタリア)は卒業演奏会を間近に控えているので準備はしっかり出来ている。
 ホールの中には演奏者と撮影班だけ。撮影班は当然全員マスクを着けている。お辞儀も拍手も無い変な雰囲気だった。


 Sは難曲を揃えていたので、「大失敗をしたらその箇所だけ撮り直せますか?」「もしレスピーギが上手く行かなかったタンゴを辞めてレスピーギを撮り直ししたいです。」とちょっと心配そう。
 吹き始めたらどの楽章も見事1回で奏破。上手く行かなかった時の対策は全てムダになった。
 ドアマン先生クラスの内訳は韓国2人・中国1人・トルコ1人・ドイツ1人と国際色豊か。髪の芸術家Kはウクライナに急遽帰らねばならず出演出来なかった。様々な自粛活動にあって何故か毎日長時間行われる学生オーケストラの練習で実力者小学生(韓国)は体調不良。曲目も学生オケで散々吹いているバッハの第2組曲。見事に吹き切ってドアマン先生が良かったよ!と労うといつものように、「いえ、ダメです…。」と。逆に気持ち良く吹けたドイツのHは打ち上げが無くて残念そう。まだ暫く我慢しましょう。


 そして収録から1ヶ月経つ今も配信の話は聞かない。一体なんだったんだろう。