笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

チロルの山々に囲まれて

 忙しくもないのに間が空いてしまった…もう5月。

 3月30日、インスブルックへ。15年前にリエンツからイタリアをほんの少し通ってミュンヘンに行った時には通過した。あの時ハンブルクに帰って或る学生に、「インスブルックに寄って来ないなんてッ!」と怒られたが今回遂に初訪問。駅を降りて街の中心を目指して歩き始めると直ぐに右にも左にもチロルの山々が見え始め両のまなこを早くもハートにして涎を垂らさんばかりに大口を開けながらホテルを目指しました。

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 ホテルはイン川を渡った所にあります。顔を歴史的旧市街に向けたまま橋を渡ります(危ない)。

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 天気が悪かったので暫くホテルで待機した後Qと4年ぶりに再会して美味しいレストランに連れて行ってもらいました。変わらないね〜と言ったら働き始めたと思ったらコロナ禍で劇場は閉鎖になるし食べ物は美味しいし大分太ったとか。やっと一昨年位から元来好きなハイキングも出来るようになってどうにか元に戻ったそう。
 夜の『ボリス・ゴドゥノフ』のチケットを手配してくれた。本来は彼女も出演予定だったのが、数日前に街を歩いていて足を捻挫したそうで…。
「しょっちゅう山歩きをしているのになんで普通の道で怪我しなきゃならないの!?」
と本人も嘆いていました。
 という訳で夜の歌劇はQも一緒に鑑賞。ゆっくりと廻り続ける舞台もいつの間にか窓から覗いている人影の演出も機能的且つ効果的。主要歌手は皆さん良かったですが主演のイヴォ・スタンチェフの知性とスタミナは特に印象に残りました。
 翌日は街をフラフラと歩き回る。写真を幾つか。

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大聖堂。

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インスブルックの象徴黄金の小屋根。

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高層レストランにて。

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市の塔夜景。

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彫像の並ぶ宮廷教会。


 夕食に入ったレストランがメニューを見たら中々高め。やがて隣のテーブルに初老の夫婦がやって来たと思ったらフレンドリーなウェイター(多分イタリア人)にあーたらこーたら注文をつける。
「林檎ジュースが欲しいんだけどナチュラルタイプよ。クリアタイプはイヤ!炭酸ナシのミネラルウォーターを頂戴。」
フレンドリーがミネラルウォーターは炭酸水のみですと答えると、
「じゃあ水道水でいいわ。」
…そして食べ物の注文は、
「あたし食べ物いらない。」
というわけで前菜1つだけ。伝統ある中々の高級レストラン(私は勿論知らずに入った)としてはふざけた客に思えたであろう。隣に座っているのが何となく居心地悪く2杯目のワインを頼まずに出て来てしまいました(高かったからという話もありますが)。

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美味しいグラーシュ。


 明日は6年前に1時間散歩しただけのフェルトキルヒへ。