笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

マリエンバードでリシャール ・アムランを聴く

 久々の東欧!といってもドイツ国境から遠くないチェコのマリエンバード(チェコ名・マリアーンスケーラーズニェ)へリシャール ・アムランのリサイタルを聴きに。

 先ずはニュルンベルクで1泊。レストランが不親切で印象を悪くするがホテルはとても快適でした。

 翌日喜び勇んでチェコへ。マリエンバードはショパンをはじめゲーテカフカなど数々の著名人が湯治に訪れた温泉街で、ショパンが滞在した家は資料館として一般公開されている。

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・・・見事改装工事中。

 今迄の数々の名所の改装工事は自称工事女の踊るピンクベアさんが原因ではなかったらしい。


 大きな温泉施設を中心とする市街地は駅から歩いて30分程。徐々にレストランやホテルが増えて来て歩きながらワクワクする(幼稚)。1泊しかしないから今日の夕飯をどこで食べるか良〜ッく考えねば。

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楽家達に迎えられる
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 ホテルは温泉の丁度向こう側。背後には自然が聳える。受付のおばさまはドイツ語ペラペラ(この点に於いてはフランスよりずっとずーっと楽!)。でもお会計が筆算なのが微笑ましい…。附属レストランもすごーく興味有るが演奏会前には開いてないし後だと閉まってるし…。入口前でもWi-Fiが使えたのでチェックアウト後も度々お世話になりました。

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 今日の会場の所在地を確かめつつ街をフラフラしてレストランに目星を付ける。
 チェコといえばビール!チェコビールといえば(私にとっては)バドワイザーバドワイザーの看板が掲げられた適度に古めかしいレストランを発見。ここに期待しよう。
 おにーさん2人ともドイツ語出来たッ!

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愛しのバドワイザー
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お次は黒ビール
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懐かしのチェコ名物クネドリキ添え

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会場の市立劇場の夕暮れと夜


 という訳でノアン・ヴィクに続いてショパンゆかりの街のショパン・フェスティバル。今回の曲目は作品27の2つの夜想曲と葬送ソナタ、それに最近聴く機会の多い24の前奏曲。彼の演奏では初めて聴く葬送ソナタが何と言っても楽しみ。
 夜想曲第1番は第2番に比べて知名度が低いが同主調(しかも最後は長調に転調)で書かれているので2曲続けて聴けるのは嬉しい。この第1番は速く激しい中間部を持つが思った通り抑制の効いた表現だった。第2番はフランスで聴いた時よりも自由さと温かさが増した気がした。
 葬送ソナタで特に印象的だったのは毅然とした緊張感が息長く続いた第1楽章の展開部と、シリアスな曲想ながら軽やかでスケルツォらしさが存分に表現された第2楽章の主部。
 前奏曲もいつものように様々な情景や感情が反映されて素晴らしかったのだが、途中珍しく集中を乱す場面が。どうやら汗が目に入ったらしい。眼鏡を拭き直して始めた後半は落ち着きを取り戻したようだった。
 今回も舞台袖にビールを1缶持って行くとちょっと残念そうな表現で、
「◯タイン◯ェイのようにシンプルじゃなかったよ…。」
と言った。当日のピアノは◯ヒ◯ュタイン。確かに扱い難い。特にショパンには。
 例え本人が不満な出来でも聴きに行っていつも満足するのは彼がいつも真摯に演奏に取り組んでいるからだろうか。良い気分でホテルに帰る途中、偶然温泉施設の敷地内での噴水ショーの時間だったので暫し見とれて来た。
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作家ナボコフの家
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 翌日、緑に囲まれた晴天のマリエンバードは名残惜しかったが私も秋に弾く曲を真摯に練習しなければいけなかったのでドイツへ。途中乗り換えで懐かしのヘプ(18年ぶり2度目)に寄り道。

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シュパリーチェクを擁するボデェブラド王広場

 

 でもやっぱりハンブルク直行がイヤで以前来た時には強風でろくに街を歩けやしなかったフルダに寄り道。泊まったホテルの近くがなんと醸造所附属レストラン!そんなつもりぢゃあなかった(そんなつもりだった)けどオリジナルビールをたらふくいただき、閉店間際には感じの良いウェイターのおっちゃんが醸造所見学までさせてくれました。

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