笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

入試終わる

 今年は入試で声楽・オーボエ・フルートの伴奏をした。

 声楽の1次試験が動画審査だったので2次審査には大勘違いの人がだ〜れも来なくてつまらなかった(性格悪し)。代わりに特に興味深い才能にもお目にかからなかった。歯だった先生曰く、
「来年は動画審査辞めますッ!みんな実際来てみたらずっとずーっと悪いんですものッ!」
だそうで来年は大勘違い受験生が復活するかも知れません(期待)。
 昨年春にマリウポリにお父さんを残してお母さんと避難して来たV。1年間具合先生の下で若者学生として指導を受け驚く程の成長を見せているもののいざ試演会ではあがって力の半分も出せないことが続いていた。学部の入試で何とかいつも通りに近く歌えるように具合門下生みんなで祈った。
 具合レッスン室の窓に誰かが貼り付けたキリンのシール。具合先生はVに、
「あれが君のお客さんだよ。あのキリンに向かって歌いなさい。」
と言った。
 もしかして少しは緊張が和ぐかもと思って最も脱力系のキリンのイラストを探して余っていた紙の裏に書いて休憩中に試験会場の後ろの壁に貼っておいた。Vはモーツァルトは多少の緊張は有ったものの先日の試演会よりは本来に近い声が出た。シューベルトはいつも通りの良い出来だった。


 嬉し〜(涙)!


 見事合格。秋の聴音の試験をクリアして秋からは大学生になれますように!


 オーボエの入試にはほんの数人しか来なかった。落武者・誉め殺し両先生が新しい生徒をあまり取りたがらないのが受験生の間に浸透しているのか?勿論早く試験が終わる分には大歓迎!それでも来学期には新入生が1人やって来ます。


 フルートは20人が動画審査を通過したはずが実際に現れたのは10人。ジャイアン先生の話では事務局の手続きがドイツ各地の他の音楽大学よりずっとずーっと遅くて2次審査の通知が届く頃にはもう他の学校への進学が決まっていたり入試の日程が重なっていたりするのだそうだ。
 とはいえ今学期で数人のフルーティストが卒業するため秋には何人か面白そうな人がやって来るでしょう。