笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

なにそれ

 同僚おじさんの独断で毎学期担当の学生が変わるもんだからたまには面倒なことになる。

 おじさんが苦心惨憺して全ての学生を振り分けたのが4月末。5月に入って直ぐクラリネットの学生がメッセージをよこした。
「貴方が僕の担当になったと聞いたんですが来月2日の卒業演奏会で一緒に弾いて下さい。」
と。
 …この学生の責任とは言えないものの演奏会まで後1ヶ月。今までどうやって準備していたんだろう?ブラームスは勿論何度も弾いたけどダンツィのソナタは弾いたことない。しかも難しい。またまたしかも間違えたらバレる。


 6月2日は中間試験もあって別の学生が試験の10日位前に連絡して来た。そして1回レッスンについて来てと言う。なんとか都合を付けてレッスンに行ったら仕上がりが悪いから試験前にもう1回来てと言われたが都合が合わず行けないと言うと先生の機嫌が悪くなった。なにそれ。


 中間試験では規定の課題曲を用意して来なかった(誰の責任かは不明)にその場で急遽1曲吹かせたりしてメチャクチャ。後で聞いたらその子最高点だったって。なにそれ。


 そしてその夜例の学生の卒業演奏会。直前に問題の先生がいきり立って、
「誰だ苦情を言ったのは!」
と凄んできた。入試の僅か3日前になって都合を訊いてくるのは理由がどうあれ遅過ぎるでしょと言うと事務の女が仕事出来ないから悪いと責任転嫁。なにそれ。


 問題の先生は例の学生のことを陰で怠け者とかこの2年間ちっとも上手くならなかったとか散々言ってたのに先日の入試で合格させてやったらしい。なにそれ。


 いざ演奏は落ちたり数え間違ったり…とても卒業演奏会とは思えなかった。先生は演奏後彼を無視。打ち上げも合流するすると言って勝手に別なレストランに行った。


 なにそれ。