笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

ジストニアからの復活第2弾

 デュオ半地下84の演奏会の翌日、湖のお坊ちゃん(フルート・ドイツ)の演奏会。局所性ジストニアから11年ぶりの復活コンサートが昨年2月。今回はそれに続く復活第2弾で、以前から吹きたかったというモーツァルトのフルートとハープの為の協奏曲を旧友Rと共演する。私は勿論オーケストラ・パートをショボいピアノ編曲版で。

 このハープのRが今ではベルリンのコンツェルト・ハウスのハーピスト並びにマンハイム音楽大学の教授。行ったり来たり大忙しで練習時間が足りない模様。大丈夫でしょうか…。
 3人揃っての練習は本番前々日に1度だけ。Rに初めて会った印象は元気でパワフルな女。力強い演奏をしそう。
 思った通りだった…。力強いのは勿論良いのだが速い!私の弾きたい速さよりずっとずーっと速い。弾きめくりが間に合うか心配になって来た。それに湖のお坊ちゃん同様に終始笑顔で切れ目無く喋る!2人の勢いに圧倒されて思わず淑やかになっていると、「ここの強弱はどうしたらいいと思う〜?君の考えを言って〜言って〜!」という風に急にこちらに振られて慌ててしまいました。
 会場は去年と同じで昨日の教会よりも大分大きいのですがお客様も去年と同じでいっぱいになったのでこの人の人脈は一体どうなっているのだろうかと首を著しく傾げたのであります。
 曲目はフルートとハープの2重奏とフルートとピアノの2重奏を交互に数曲ずつ演奏して最後が3人でモーツァルト。フルートとハープの為の2つの作品は初めて聴く曲でどちらも湖のお坊ちゃんが熱く語っていた通りの美し〜い音楽。アルウィンのナイアード・ソナタもパーシケッティのセレナードももっともっと演奏されるべきでしょう。
 モーツァルトは元々幸福感溢れる曲だがソリスト2人の性格の明るさも手伝って華やかでエキサイティングな演奏になった(多少やり過ぎの箇所も有ったような…)。昨年の演奏会では自分の演奏に満足していなかった湖のお坊ちゃんも今年は納得の演奏が出来たようです。


 終演後も去年と同じでまなこを疑う程お礼をいっぱいくれたのでこの人の生活は一体どうなっているのどろうかと首を著しく傾げたのであります。