笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

キールの教会にて

 11月11日、キールの小さな教会にて尼さん(リコーダー・台湾)と少し気の早いクリスマス・コンサート。尼さんのご主人の実家の近くです。

可愛い教会!

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内部も素敵ッ!素敵ですッ!

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 教会に響くリコーダーの純な音色はクリスマス・コンサートにぴったり。これなら夏に演奏してもクリスマスになりそう。
 我らがデュオの名前は、『半地下84』。私が9年お世話になったアパートの半地下の部屋は尼さんから譲り受けたもので住所が84番地だった。命名は尼さんで即同意のデュオ名となった。
 一緒に演奏したのはヴィヴァルディとクックの協奏曲。クックで譜めくりを忘れて2小節片手になっちゃった(バカ)。後はクリスマス・ソングを2曲。
 お互いにソロを2曲ずつ。先ず尼さんはバッハのヴァイオリンを自分で編曲したもの。私はリストの何かをと思っていたら、『眠りから覚めた御子への讃歌』の境遇を思い出して弾くことにした。一度は演奏中に携帯電話が鳴り響き愚かな持ち主が呼び出し音鳴らしっ放しでホール外で受けようとして階段で躓きその音も会場中に高らかに鳴り響いて演奏を中断した。もう一度は卒業試験のプログラムに入れておいたらその曲と最後に用意していた現代作品だけ指定されなかった{最後の曲がド派手だったから後の曲はぜ〜んぶ超地味。お陰で全体がショボ〜くなった(怒)}。
 それから尼さんに固執低音上の緑の袖(要するにグラウンドによるグリーンスリーヴス)をリクエストしたらヴォーン・ウィリアムスが自ら編曲したグリーンスリーヴス幻想曲も弾いて〜!と逆提案された。去年作曲者の生誕150周年で弾こうと思って辞めた(暗譜出来なかった)ので、ちゃんと弾け!という神のお告げだと思って暗譜に挑戦。やっぱりややこしかったけどお陰で1年遅れで生誕150年を祝いました。
 お客様は少なかったですが小さな教区だし。最前列に尼主人家族が陣取りフレンドリーな気分になったが尼さんは逆に緊張したのではなかろうか…。
 教会音楽家の方がこのピアノはどうですかと言うので響きが気に入りました、悪くない楽器ですよ、と応えると、
「あなただけですよ。他のピアニストは皆さん『こんな楽器弾けない。』って。」
余程皆さん普段素晴らしい楽器を弾き慣れていらっしゃるかラ◯マニノ◯ばっかり弾くからでしょうとお応えしました。


 良い印象の残った教会での演奏会。デュオ半地下84は新しいプログラムでまた演奏させてもらいたいです。誰かがあんな会場・あんなピアノで満足してるなんてプライドが低いと言うかも知れませんが。