笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

楽譜は練習から確実な物を使いましょう。

 2月4日、薔薇園(老人ホームの名前)にてカテリナ(フルート)とその妹サーシャ(ファゴット・共にウクライナ)と演奏会。フルート・ファゴット・ピアノできっと生誕250年記念にベートーヴェンのセレナーデでしょう!と思ったら姉妹でピアノ無しでベートーヴェンの2重奏曲を演奏し、代わりにメンデルスゾーンのピアノ3重奏曲の第1楽章を全員で。原曲はヴァイオリン・チェロ・ピアノ。ヴァイオリンの代わりにフルートでは演奏したことがあるけれど2人違うのは初めて…。管楽器の2人はそれぞれウェーバーハチャトゥリアンを選んだのでピアノソロ曲をどうすればバランスが取れるか悩んだ末、他のどの曲にも全然関係ないアメリカのゴットシャルクの小品を3曲弾くことにした。肖像画がオヤジっぽかったので思いもしなかったが実はゴットシャルクは40歳で亡くなっていた。やっぱりね…若いのにこんないい曲書くから…。
 演奏会は姉妹デュオのベートーヴェンで開始。ところが途中から何かがおかしい。私は曲を知らなかったけど2人揃って変な和音で終わったり平行5度でユニゾンになったり…お客様は気付いていないかも知れない(と言うより気付いていない事を祈る)がこれは明らかに何処かでズレたな…。
 涼しい顔で演奏会終了。帰りの電車の中で2人は、「ベートーヴェンは酷かった…練習の時と違う出版社の楽譜を使ったのが間違いだったわ…。」と反省。休符の書き方がどうやら違ったらしい。やはり演奏会では予期せぬ事が起こるから練習から気を引き締めて行わねばと再認識したのでした。