笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

バーラッハ・ハウスにて。

 3月5日、ソプラノのE(ドイツ)と町外れのバーラッハ・ハウスでビデオ撮影。Eは興味深い才能の持ち主で師匠の具合先生(や私)に期待されている。
 この会場、歴史的建造物に指定された美術館で、入館にあたってコロナウィルスの迅速テストを受けることが義務付けられており(しかも2日前になってお達しが来たッ!受けに行く時間ないっつーの!)、私も当日朝8時に初めてテストを受けて来た。前日にテレビスター(テノール・韓国)に、
「鼻のスゴい奥まで入れられて鼻水止まらなくなっちゃった。」
と脅されていたが、それを聞いて構えて行ったお陰で思ったよりも楽でした。会場に向かう電車の中で結果を確認。何故かコンクールの結果発表みたいにちょっとドキドキしたりして。でもこれで陽性反応だったら直ぐに電車を降りて歩いてウチまで帰らなきゃいけないんだろうか…。
 
 会場は私が12年間住んだ家の近くで中心地よりずっとずーっと長閑な雰囲気が漂う。嘗ての最寄駅で降りてだらだらと会場に向かった。
 朝10時到着に合わせて8時に検査を受けたのに検査結果は全然見せなかったし、録音技師のキリン(本業はピアニスト・フランス)は部品を忘れたり落としたりして準備に45分かかるし寒いし、この状況で文句を言わないEを尊敬した。でも待っている間隣室の展示物を鑑賞していたらシャガールをはじめとする巨匠達の作品が飾られていて遅れにもあまりイライラしなかった。
 いざ歌い出したら2・3回のテイクですんなり終わり。諦めきれずに、「もう1回!もう1回!」という人が多い中こういう共演者は助かります。収録後は懐かしの家や近所の教会・川沿いの風景などを優雅に楽しみながら本格的に散歩してから学校に向かいました。


 …いい加減に2ヶ月遅れの日記辞めなきゃと思っていたら録画から2ヶ月経ってやっとキリンから動画のサンプルが送られて来た。「君をもっと画面に入れたかったんだけど曲のせいで難しくて…」とメッセージ付き。ロックダウンで理容室が閉まっていたから後頭部が実にみっともないことに…なので、「映るの少なくて大歓迎!」と返事しておいた。まもなく公開されるでしょう。