笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

レーガー再演

 6月25日、クラリネットのJ(韓国)卒業演奏会。 ドイツ語の理解力に問題有りの彼女。レッスン中に先生が気の毒になることもしばしば。


例:
先生「発音がはっきりしない!いつも言っているのに何故改善しないんだ!それとも君にとってはどうでも良いのか?」
J「あっ、はい!どうでも良いですっ!」


 ・・・・・・。


 今回彼女はレーガーの大作ソナタ第3番を演奏するのです。私は17年前にヒィヒィ言いながら(要するに難しい)1度弾きましたが、奇跡的に上手く弾けて満足していたものの今回やり直してみたらやっぱり難しい…。但しこの曲の本当の難しさは技術的なこと(それも恐しく難しいですが)よりも書かれた無数の音の一つ一つを噛み締めることにあります。技術的なことは17年の内に随分忘れてしまっていましたがあの時真面目に勉強したせいか練習すればした分だけ作品に対する愛情が戻って来て楽しく演奏出来ました。
 第3楽章の切ないとは正にこのことか!と思わせる旋律が最終楽章の結尾部に拍子を変えて戻って来る部分は鳥肌ものです。


 チューリッヒで大学院に進む彼女。スイスのドイツ語はここのとはちょっと違って難しいですよ〜。