笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

もう1人の秘書も。

 9月3日。7年間落武者先生の下で学んだオーボエのS(ドイツ)の最後の試験。

 彼女は入学当初数え間違いをいっぱいしても、
「練習すべきことが分かったわ。」
楽天的で、この子大丈夫だろうか…と思ったものの、最初の試演会の後2次会の最後まで残って一緒に飲んだのでこの子見込みあるなと思いました(そこかい!)。
 徐々に上達して大学院にもすんなり合格。翌年にはオーディションに合格してハンブルク交響楽団で1年間研修をしました。


 試験の僅か2・3日前にSが念の為WhatsAppに作っておいたグループ、『Sの試験』(メンバーはS・落武者先生・誉め殺し先生・私)に、
「金曜日、試験の後みんなで食事に行きませんか?」
と書き込んだところ、誉め殺し先生から、
「あらっ!金曜日試験だっけ!?まぁいいわ、行けるから。」
との返事が。


…誉め殺しッ(今回ばかりは呼び捨て)!!!


 しかしそれ以上の混乱は無く試験は和やかな雰囲気の中無事終了。お菓子作りが得意なSは我々試験官に手作りのクッキーをくれたのだが、更に素晴らしかったのはお手製のキーホルダー。引退後に備えてヨットを買いレッスン以外はヨットの話しかせず引退を心待ちにしている師匠の落武者先生には船の、誉め殺し先生にはト音記号の、そして私にはビールのキーホルダーをプレゼントしてくれた。

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 予定通り食事にも行けた。落武者先生も私も、「まだ仕事があるから…。」と拒否していたものの結局みんなでワインで乾杯(これがオーボエクラスの特徴)。
「私センチメンタルな人間なの。」
誉め殺し先生が言った。
「次から次へと新しい学生が入学して来て、成長して、去って行く…。残るのは私達。」
…一同一瞬しみじみしたと思ったら、
「でも私も何年かでいなくなるから一緒ね!ハハハッ。」
…とあっという間にいつもの雰囲気に。今後もなるべく長くこの楽しさが続きますように。