笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

ジャムおじさん先生逝く

 チェロのジャムおじさん先生が亡くなった。82歳だった。昨夏に医療ミスから一時重体に陥り、以後回復しつつあると聞いていた。

 初めてレッスンにお邪魔したのはまだ学生の頃。5年前に亡くなったお子ちゃまHにくっついて行った。ジャムおじさん先生の奥様はピアニストなのでレッスンでもピアノに対する要求の多いこと!時にはイラッとするほどであった。
 7・8年前は黄金期で個性豊かな生徒が揃い、彼等と一緒の演奏は楽しかった。学内演奏会の後何故か1番不味いレストランで打ち上げをしたのも楽しかった。


 お葬式には嘗ての同僚のサンタ先生と共に参列した。連絡不行届でなんと牧師さんが遅刻して来たッ!小さな子供の頃から師事していたAや最後の弟子Hは式の間ずっと泣いていた。私も穴に横たえられた棺に花弁を振りかけた時には長身のジャムおじさん先生が私の真後ろに立って譜めくりに失敗したことを思い出した。


 天国では自慢の弟子だったお子ちゃまHを、「赤ちゃんを残して死ぬなんて!」とお説教しているかも知れない。


 合掌