笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

ルッカにて、その1。

 サンタ先生クラスの湖畔の古城の合宿が消えて4年。悲しみに暮れる私に再び光が!
 オーボエの誉め殺し先生がイタリアはトスカーナ地方に住む友人の邸宅で落武者先生クラスと合同の内輪講習会を遂に敢行しましたッッッ!
 …思えば数年前から誉め殺し先生はサンタ先生クラスの湖畔の古城の合宿を羨んで、
「今日サンタに電話するわ。必ずするわ。」
と言った2週間後、
「今晩サンタに電話しなきゃ。絶対しなきゃ。」
…更に2ヶ月経って、
「今日こそサンタに電話するわ。間違いなくするわ。」
そして何年が過ぎたことでせう。最近はもうぜ〜んぜん期待していませんでしたが誉め殺し先生一念発起で遂に実現!
 ところが出発の僅か数日前に彼女のもとに訃報が。トスカーナの家で共に楽しい時を過ごしたもう1人の友人が急逝したそうで、講習会をやめるべきか否か悩んだものの、あの家で音楽に励み、奏でることこそが供養になるとイタリア行きを決心されました。


 2クラス合同でも学生は5人。ヴィーガン娘Cの友人で今回の旅行を色々手伝ってくれたヴァイオリンのAも同行して総勢9名。団体行動しやすい人数です。空港集合はなんと午前4時半でしたが誰も遅れず。実は私はこの日が誕生日で朝っぱらからビールを飲んで1人密かに祝いました。フランクフルトまでの機内でどこからかそれに気づいた誉め殺し先生が乗り換えの空港で抱きしめてくれました。


 乗り換え時間があまり無かったので直ぐにピサ行きの飛行機に乗り込みます。離陸後1時間半位でイタリアです。もうみんなワクワクです。私もイタリアは13年ぶり。初めての街を訪ねるのはいつも楽しみです。
 空港から中央駅まではシャトルで移動。そこで1時間電車を待ちます。先生お2人は駅前のカフェで朝食を…でも若者達は斜塔を観たくて仕方がありません。教会広場までは徒歩25分。行って観て帰るだけになるでしょう。
 でも行く!ということで先生お2人をカフェに残して荷物の見張りを頼み7人で広場を目指します。途中橋上からの眺めもアイスやサンドイッチの屋台もそそくさと通り過ぎました。いつの間にやらヴィーガン娘とその親友は列から外れました。我等が道を行ったようです。

 

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着いたッ!そして塔よりも私達が斜めである。


 短い時間にまなこに焼き付けるように眺めまくって駅に戻りました。ヴィーガン娘とその親友はギリギリになっても現れず、遂に先生達が荷物を置き去りにして先にホームに向かう旨を伝えた時に大慌てで帰って来ました。先が思いやられます。


 目的地はルッカ。有名な歌劇作曲家プッチーニの故郷です。世界でも何番目かに古い10何キロの城壁に囲まれた中世の街だそうです。木曜の午後にはレッスンを辞〜めて観光することになっています。
 ルッカの駅には2台の大型タクシーが待ち受けていました。誉め殺し先生が予約していたのです。誉め殺し先生ここへ来ていきなりオーガナイズ力が急激にアップ…。
 お世話になる家は車で15分程の郊外の丘の上にあり、到着するとご主人が出迎えて下さいました。私が入学する少し前までハンブルク音大のオペラ科で指導されていたそうですが、かわいいおじいちゃんでした。門を少し下った所にはプールも有ります。落武者先生が、「もし良かったら泳ぎを教えてあげるよ!」と言っていたので一応水着は持って行ったのですが、落武者先生の背中の調子が悪くあまり長く水中にいられなかったのと、到着と同時にプールに入ったMがガタガタ震えながら帰って来たのを見て怖気づきました。
 初日はふくよかで元気な料理のおばさまの夕食をご馳走になり宴会です。宴会は毎日続くでしょうが明日から音楽漬けの日々が始まる予定。


続く