笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

歯だったクラス出張

 1月27日、歯だった先生(声楽・アメリカ)クラスの出張演奏会。素敵なハゲ在住のRellingenだったが彼は休暇中(涙)。しっしかしチケットは完売だそう。最もそんなに大きな会場ではないけど。

 歯だった先生のクラスの演奏会ではこのところいつも同僚J(コロンビア)が弾いているのだが彼から直接、「1月と2月間違えちゃって僕弾けないんだけど代わりに弾いてくれない?」という(ちょっとカチッと来る)依頼があって引き受けた。歯だった先生、Jぢゃなくてすみませんね。
 更にエリマキトカゲ(バリトン・中国)の彼女がピアニストで中国の学生がみ〜んな彼女Cと歌いたがるから私は全体の半分程度しか弾かない。
 ただこのCが初見が出来て合わせ上手なので私も良く代わりにレッスンに行ってもらう。おまけに彼女は日本でピアノを勉強したので会話のみならずSMSも日本語(漢字付き!)で出来るので大変助かりますッ!いつまでもウチの学生でいて欲しいけれどそうはいかないでしょうね…。
 演奏会には会場の遠い近所に住む調律師のYさんをご招待したもののハッと気が付く。彼は世界中の超一流ピアニストの演奏を知っているんだった…。歌手達になるべく大きく歌ってもらいましょう!そうすれば私のピアノが聴こえなくて丁度良い!
 いざ始まったらピアノの調律がとても狂っていて気まず〜い…。Yさんにはかなり気になったに違いありません。
 演奏会は歯だった先生の歌劇のあらすじや生徒の紹介やご自身の経験を交えた楽しい司会(時折anywayと挿入句が入る)の下満員の会場は盛り上がりましたが空調はかなり悪く、後5日でバス・電車でのマスク着用の義務化が解除される日でしたが引き続き用心が必要です。
 開演が午後8時と遅かったので終演した頃には近くに飲める店は開いていませんでした。Yさんを意地で飲みに連れ回す為歌手達への挨拶もそこそこに執念で見つけた飲み屋にそれぞれ自転車とバスで移動します。ドアを通して漂って来る怪し〜い雰囲気…。意を決して中に入ると喫煙可の飲み屋でまたしても空気悪し。カウンターに座った太ったおっちゃん達(3・4人いて全員太っていた)が一斉に振り返りました。一瞬怯みましたが臆することなくカウンター脇の小さな席に座ります。大きな席は怪しげ〜なおばさまが占領していて近づきたくないのです。
 さてビールの種類は何でしょう。ホルステンやアストラ(どちらもハンブルクのビール。劇マズ)だったらビール無しの夜決定です。カウンターのおねーさんに訊いてみます。感じの良い方でこの店では間違いなくマドンナ的存在でしょう。西部劇の1場面を観ているような気がしてきました。
 ビールはめでたく愛しのイェーファー!おねーさんがよりステキに見えました。2つ注文すると近くにいた1番太ったおっちゃんが振り返って無言でgoodサインを…。
 酒が入れば皆同じ。すっかり居心地が良くなってYさんの面白い話をいっぱい伺いながら真夜中まで飲みまくりました。超有名実力派大ベテラン女流ピアニストのカオスぶりが特に印象に残っています。


 …演奏会の報告のはずが飲み会報告になってしまいましたね…すみません…。