笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

なぜおじさんはそんなに忙しいのか?

 2月15日のロボット先生クラス学内演奏会では正式ピアニストであるところのおじ(ー)さん(ドイツ)が当然ながら大車輪の大活躍をするはずで私は予定に入れていなかった。何と言っても12月におじさん担当学生を全員伴奏したんだから(しかも難しい曲ばっかり)。

 と思ったら前回難曲でトリを飾ったY(台湾)から2週間前に連絡。
「直前のお願いで申し訳ないのですが演奏会でヒンデミットソナタを一緒に弾いていただけませんか?」
という。
 2週間前を『直前』という地点で某クラスよりも断然優れている。ヒンデミットは年末にG(同じく台湾)と録画したばかりだから問題ない。何よりYとの前回の共演は楽しかった。
 引き受ける気満々だったが一応確認を…。
「Fさん(おじさんの本名)は出来ないの?」
すると答えは、
「Fさんは2月6日まで時間が取れないそうで、ヒンデミットには時間が不十分だとB先生が判断したのです。」
とのことだった。理由も筋が通っているしロボット先生たっての希望とあらば引き受けねば!しかしおじさんが何故そんなに忙しいのかは謎。


 という訳でヒンデミットだけ参加することにした。


 本番2日前の試演会におじさんが指定した時間に会場に行ったら、
「こんな直前になって全然弾けてないなんて。」
と舞台の端に座って両手をポケットに突っ込んだまま相変わらず小声で早口(だから何を言ってるか分からない)で説教している。あんたが直前まで時間無いって言ったのも原因の1つだと思うけどね。
 そして当日Yはまたトリだったので時間を計算してそろそろ出番かな〜と思って会場に様子を見に行ったらロボット先生が廊下で携帯電話を持ったまま私を発見し、
「いたいたッ!」
と。エッもう出番!?急いで着替えて来ます〜と言うとそのままでいいから弾いて〜!と言われ私服のままで弾いた…。おじさんがウダウダ言っていた学生はどうやら弾かなかったらしい。


 今回もYは素晴らしく演奏した。いっつも私と一緒に弾いても良いんですよ?