笑う伴奏生活

ハンブルクから愉快な共演者達を御紹介します。

仏様2018。

 聖夜でございます。「frohe Weihnachtenを日本語で言うと?」と訊かれてメリークリスマスだと答えてがっかりされる日々です。
 またまた遙か昔の話ですがフルートの仏様がハンブルクにお現われになりました。今回は講習会に先立っての講師演奏会当日にポーランドから到着です。曲目は超有名曲(バッハ:ソナタホ長調)、比較的非有名曲(グリフェス:詩曲)、技巧的作品(タファネル:魔弾の射手幻想曲)、そして自身の編曲(チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲)といつもながらバラエティ豊か。
 問題はチャイコフスキー。フルートでの演奏に際して3度高い調に移調されているのですが、原調での演奏に慣れているために時々手が勝手に低い調に行ってしまう・・・結局演奏会でも跳躍の多い前奏はいっぱい練習したにも関わらずメロメロのメロメロで生きていくのがイヤになりました。
 バッハが良かったッ!明確なフレージングと強弱変化。何百回も弾いた曲ですが驚くべき新鮮さを持って弾けました。グリフェスはロマンとストーリー性に満ちた名曲です。もっともっと演奏されて然るべきでしょう。タファネルは彼が15歳の時に神戸で聴いてあまりの技術力に驚いた曲です。勿論あの時とは比べ物にならない表現力でしたがスピード感は変わっておらず、彼の音楽観があの時から一貫しているのを感じてオヤジ的感慨に耽りました。
 チャイコフスキーは期待通り。どの場面も次はどう吹くのかという期待に応える演奏でお客様も喜ばれたに違いありません。
 毎晩飲みました。仏様は私よりも若いので元気です。最も彼の元気は今後40年続くのではないかと思いますが、「日本語は素敵だ!僕は日本語を勉強する!」との昨年の宣言通り日本語の下ネタも板に付きつつあります。来年は3回日本に行くそうです。
 また来年8月下旬ロストックでの講習会でご一緒することになりましたので皆さん奮ってご参加下さい。